白クマ
日医白クマ通信 No.1537
2012年3月29日(木)


定例記者会見
「将来の医師会活動及び医療制度のあり方」医師会将来ビジョン委員会答申

答申


 藤川謙二常任理事は3月28日、記者会見を行い、医師会将来ビジョン委員会が取りまとめた答申の内容を説明した。

 本委員会は、全国8ブロックから推薦された30〜40代の若手医師16名により構成されており、原中勝征会長からの諮問「将来の医師会活動及び医療制度のあり方」を受けて検討を重ね、3月27日に白髭豊委員長(長崎市医師会理事)から原中会長に答申書が提出された。

 内容は、(1)はじめに、(2)第1章 医師会活動、(3)第2章 医療制度、(4)第3章 看取り教育(Death Education)、(5)短編小説「2030年代の医師たち」、(6)第5章 おわりに−委員のあいさつ・感想、(7)第7章 アンケート集計―を柱として構成されている。

 「はじめに」では、委員会の中で、医師会活動班、医療制度班に分かれてそれぞれ協議を行い、さらに「看取り教育(Death Education)」に関しては、医師のみでなく国民に広く考えてもらうため、答申に追加した経緯が記載されている。

 「第1章 医師会活動」では、日医の活動内容を多くの人に周知し、医師会の存在意義が正当に評価されるようになれば、日医が日本の医療をリードする唯一の職能団体になれるとし、そのための具体的方策を論じるとともに、最終的には保険医の登録業務を日本医師会が行うことを目指すべきと提言されている。

 「第2章 医療制度」では、医師不足・医師の偏在など、医療提供体制に係る諸問題解決に向けた提言をまとめるとともに、医療政策・医療財源の将来ビジョンとして、「高度成長」「人口増」「政治の安定」などが理想と正反対の方向に向かっている現状の中、現在の医療制度を維持することは極めて困難との認識に立ったうえで、医療政策・医療財源の問題点を指摘し、将来における方向性を示唆している。

 「第3章 看取り教育(Death Education)」では、数十年後に年間の死亡数が170万人のピークを迎えると推測されているわが国において、適切な終末期医療が行われるためには、Death Education(生命や死・看取りの教育・啓発)が必要不可欠であり、それを医師主導で医師会が行っていくべきとの認識の下、具体的な取り組みについて提言している。

 また、「第4章 短編小説」には、第1章〜第3章までの提案が実現された社会を舞台にした小説を収載するとともに、医師会や医療制度に関わる諸問題について、個々の委員がどのように考えているのかを調査したアンケート結果も収載されている。

 会見の中で藤川常任理事は、「本委員会の前身となる『未来医師会ビジョン委員会』(平成10年〜16年)では、当時の委員が今では日医や地域の医師会で重責を担っている方も多くいる。本委員会の委員からも将来の医師会組織を担うすばらしい人材が多数輩出されることを期待する」と述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会 庶務課 TEL:03-3946-2121(代)


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