白クマ
日医白クマ通信 No.1542
2012年3月30日(金)


定例記者会見
「平成23年医師会立 助産師・看護師・准看護師学校養成所調査結果」
―藤川常任理事

定例記者会見


 藤川謙二常任理事は、3月28日の定例記者会見で、日医が昨年11月に実施し た「平成23年医師会立 助産師・看護師・准看護師学校養成所調査」の結果を 公表した。

 本調査は、医師会立の助産師・看護師・准看護師学校養成所における入学・ 卒業状況及び運営状況等の実態の把握を目的として毎年実施しているもので、 平成18年度からの入学状況の経年変化及び卒業後の進路について分析をした 他、新たに、入学金や授業料等の学生納付金や補助金、また医師会会計からの 繰入金についても調査を行った。

 なお、今年度は東日本大震災の影響を受け、例年より遅い11月に実施。福島 県の公立双葉准看護学院については、東京電力福島第一原子力発電所の事故に より避難を余儀なくされた学生たちが他の学校に編入していることから一部報 告が重複するため、進路の変更以外は集計に含めていない。

 入学状況については、(1)「准看護師課程」の応募者は約29,000人と昨年度 (約28,000人)に引き続き増加傾向にあり、倍率も3.0倍と過去6年間で最高 の倍率となっている、(2)「看護師2年課程」の応募者は約5,200人と減少傾向 にあり、倍率は1.4倍となっている、(3)「看護師3年課程」の応募者は約 13,500人と増加傾向にあり、倍率は昨年度の3.8倍から4.4倍に増加している― などの傾向が見られる。

 卒業後の進路については、「医師会管内」と「医師会管外」を合わせた県内 就業率は、准看護師課程は47.1%であり、准看護師として就業しながら進学し た場合を合わせると約7割が地域医療を支えている。看護師2年課程は83.0%、 看護師3年課程は83.9%と、いずれも全国の学校養成所の平均と比べて県内就 業率が高い。  

 平成23年度学生納付金の状況については、「准看護師課程」の初年度納付総 額は60〜80万円未満が約40%と最も多く、次いで40〜60万円が約35%となって いる。

 補助金の状況については、昨年度より「増えた」との回答が多く、その理由 として、平成22年度から導入された、定員規模による「調整率」や「看護教員 養成参加促進事業加算」等が挙げられている。これらは、小規模校に加算し、 大規模校を減算する仕組みのため、小規模校が多い医師会立の養成所にはプラ スに働いている。

 医師会会計からの繰入金については、いずれの課程においても、6割以上の 学校で医師会からの繰り入れがあり、1,000万円を超える繰り入れを行ってい る学校もある。

 同常任理事は、「医師会立の学校養成所の卒業生は県内就業率が高く、地域 の看護職員の確保に大きな役割を果たしている」とその重要性を強調したうえ で、医師会会計から多額の繰り入れが行われている実態を取り上げ、「経営の 苦しさや、運用上の規制の厳しさから、養成を断念せざるを得ない学校も増え てきている。先般、厚生労働大臣に要望書を提出したが、引き続き補助金の増 額や規制緩和を求めていきたい」と述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121
◇関連資料はこちら⇒PDF(982KB)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.