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定例記者会見 実験動物への配慮を求める ―久日本医学会長、高杉常任理事 |
動物愛護管理法は、動物の生命を尊重し、愛護すること、動物による人の生命・身体・財産への侵害を防止することを目的として、昭和48年に制定されたものであり、5年に1度見直しが行われている。今回の見直しに当たっては、届出制または登録制の導入等、実験動物に対する規制強化が検討されていたため、日本医学会始め、日本再生医学会、日本実験動物学会、日本神経科学学会、全国医学部長病院長会議等からは、規制強化の見直しを求める要望が出されていた。 |
会見では、久会長が、まず、日本の動物実験の現状について、(1)実験動物は動物愛護管理法の外にあるものと考えられてきたため、2006年には文部科学省、厚生労働省、農林水産省が動物実験の実施に関する基本方針を制定している他、日本学術会議も詳細な指針「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」を制定している、(2)この制度は国際的にも認知され、その実効性を担保する第三者評価制度も所管省庁の指導の下で構築されている、(3)実験動物を取り扱う医療機関では「動物実験倫理委員会」を設置し、実験動物を使用せざるを得ない理由を極めて厳格に審議し、承認された場合にだけ実験動物の使用を許しているだけでなく、犠牲死させる場合でも、実験動物に過度の苦痛を生じない手段を講じることを許可の条件としている、(4)各大学医学部や医科大学では、毎年「実験動物慰霊祭」を全学的な行事として行っている―ことなどを説明。 その上で、久会長は「医薬品、医療機器が輸入超過の状況にあるわが国では、日本独自のものを開発する必要があるが、そのためには、動物実験がかかせないものになっている。現行法下でも研究者たちは十分に注意し、かつ実験動物に敬意をはらって動物実験を行っており、規制に関する特別な配慮を改めて求めたい」と述べた。 |
◆問い合わせ先:日本医師会生涯教育課・日本医学会
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