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定例記者会見 「今夏の医療施設における電力確保問題について」 ―高杉常任理事 |
「電力使用制限令及び計画停電発動に伴う医療機関等への通電に関する要望」は、日医と四病院団体協議会(日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本病院会、全日本病院協会)の5者で取りまとめたもので、5月25日、電力会社9社(北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州)に提出した。 同要望では、昨年の東日本大震災を契機とする大規模な電力供給不足により、東北・東京電力管内で発動された計画停電や電力使用制限令によって医療機関や在宅における医療活動が停止し、地域住民の生命と健康が大きく脅かされたことを指摘するとともに、昨年にも増して電力需給の逼迫が予測される今夏の計画停電の実施に際しては、電力供給が生命線となる全ての医療・介護施設、居宅における患者等の生命や健康が脅かされないよう特段の配慮を求めている。 これに対し、6月4日までに全電力会社から回答があった。 計画停電が実施される可能性の高い、北海道・関西・四国・九州の4社のうち、関西電力は、原子力発電所の再稼働の見通しが立たない中、8月の需給ギャップがマイナス14.9%(マイナス445万kW)と厳しいことを強調。電力供給力の確保に努め、広域的な停電の回避に最大限努力するとした上で、計画停電の準備に関して、グループ(区域割り)や停電スケジュールなどについて、6月中旬を目途に公表するとした。また、計画停電の緩和措置対象には、救命救急センター、周産期母子医療センター、災害拠点病院だけでなく、二次救急医療機関等も含めることを検討するとしている。 緩和措置対象については、九州電力も関西電力と同様の見解を示し、北海道電力と四国電力は、要望の内容も含めて国と調整を行うと回答した。 一方、東京電力は、平成22年並みの猛暑の場合でも供給予備率4.5%程度であり、安定供給は確保出来るとの見通しを示し、万が一の計画停電時の通電対象における医療機関等への配慮に関しては、政府と調整していくとした。 同常任理事は、計画停電の緩和措置対象として通電される医療機関が限定されることを危惧し、全ての医療施設に配慮を求める姿勢を改めて強調。6月15日に日医会館で開催する「都道府県医師会電力確保対策担当理事連絡協議会」について説明するとともに、今後、各電力会社と都道府県医師会が地域の実情を踏まえて協議することを要請し、「もし計画停電が実施されれば、その影響は計り知れない。大変なことが起こりうることも想定しながら、都道府県医師会と連携して対策を練っていきたい」と述べた。 ◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)
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