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定例記者会見 「地域の医師確保対策2012」に一定の評価 ―中川俊男副会長 |
同文書は、文部科学省と厚生労働省が、9月10日に公表したもので、平成25年度概算要求に合わせ、既存の取組も含め、地域の医師確保のための取組を連携して進めるためにとりまとめたものである。 まず、「地域の医師確保対策2012」に対し中川副会長は、「地域の医師確保対策に文科省と厚労省が密接な連携の下に取り組んだこと」「具体的に当面の医師養成数を医学部新設でなく医学部入学定員増で対応するとしたこと」「特に、被災地のニーズに対応し、大学設置基準の上限を超える増員が認められたこと」について高く評価するとした。 日医は、「医学部新設」に対して、「これまで1,366人の医師養成数の増加が図られてきたこと」「地域の医師不足に拍車がかかり、医療崩壊への危機を加速することが危惧される」として一貫して反対しており、平野博文文科大臣が、閣議後の記者会見で「むやみな定員拡大は質の問題を含めて慎重にしなくてはならない」と述べたことは、まさに日医の主張が理解されたものだとして評価した。 「医師需給の見通し」について、日医でも継続的な需給見直しが必要と主張しており、これまで医師需給調査(2008年)を独自に行っている経緯から、文科省・厚労省の検証作業に協力して行きたいとした。さらに、「医師の地域偏在」「診療科偏在の緩和」「女性医師のキャリア形成支援」などについて、同副会長は「日医も同じく最重要課題として考えている。医師のキャリア形成については、関係者の意見を聞きつつ、医師養成の在り方も含めて検討を進めている」と述べ、女子医学生支援として「医学生、研修医等をサポートするための会の開催」などを紹介した。 また、同副会長は、医学部定員増について、「定員を増やしても、国の財政的な支援体制が確立されていなければ教育が成り立たなくなる」と指摘。特例公債法案の成立の見込みが立たないことから9月7日の閣議決定で本年度の一般会計の予算執行が抑制されることとなり、その抑制項目に「国立大学法人の運営費交付金」が挙げられていることに対して、「国立大学だけでなく、公立大学の運営費交付金、私立大学の私学助成金を含めて関連するので、定員増とする良い試みに対して水を差さないでほしい」と要望した。 最後に中川副会長は、今回の医師確保対策に対して「日医は、文科省や厚労省と協調して医師のキャリアアップという視点からも、地域医療の従事に魅力を感じられるように地域医療提供体制の再構築に向けて、きめ細やかな支援をしていきたい」と述べた。 ◆問い合わせ先:日本医師会生涯教育課 TEL:03-3946-2121(代)
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