日医白クマ通信 No.16 2004年11月5日(金) |
混合診療反対の国民向けビデオを作成 |
田島知行常任理事は、11月2日の記者会見で、国民向けの混合診療説明ビデオの作成について公表した。
ビデオは「もしも、『混合診療』が解禁になったら…」というタイトルで、時間は約13分間。ナビゲーターは頼近美津子氏。
内容は、タイトルどおり、もしも混合診療が解禁になった場合の事例を、3つの寸劇
1.お金のあるなしで治療に差がつく
2.安全性・有効性に疑義が生じることが多い
3.民間保険での保障が必要となり、結果的にお金の有無に影響される
が収録されており、医者と患者とその家族とで繰り広げられる問題提起の形になっている。11月3日に完成し、翌4日に47都道府県医師会・916郡市区医師会や関係団体に送付した。日本医師会並びに国民医療推進協議会の2タイプで制作されており、国民医療推進協議会の加盟団体での活動でも活用を呼びかけていく予定。
いわゆる混合診療の解禁に対し、改めて反対を表明 |
櫻井秀也副会長は、規制改革・民間開放推進会議で推し進めようとしている、いわゆる混合診療の解禁に反対する姿勢を、11月2日の記者会見で改めて表明した。
同副会長は、規制改革・民間開放推進会議の主張する、混合診療解禁の考え方に対して、真っ向からこれを否定し、「保険診療を縮小させ、自費診療を拡大させるような政策には、国民を私的保険に加入させてアメリカ型の保険会社が医療を支配する世界を作りたいという狙いがある」と主張し、日本においては、お金のあるなしで受けられる医療に差別をつけるのではなく、国民誰もが平等に必要な医療が受けられる国民皆保険制度を維持するべきだとした。
加えて、国民医療推進協議会での地域運動に活用するために作成したビデオ、ポスター、チラシ等を協議会の参加の諸団体や都道府県・郡市区医師会等に配布して、国民に混合診療の解禁反対を訴えていくことを明言した。
介護保険部会退席に対しコメント |
野中博常任理事は、11月2日の記者会見で、10月29日の社会保障審議会介護保険部会を途中退席したことに対して、コメントした。
同常任理事は、本年4月から同部会に参加して以来、「介護保険を利用される方々にとって適切なサービスを提供する体制部分の議論ではなく、出てくる話は財源の話ばかりで、検討するところが違うと感じた。利用される方々のサービスが制限もしくはカットされることに、現場の人間として、我慢ができなかった」と退席した理由を述べた。
つづけて、本来介護保険のサービスを利用している者は、自らが好き好んでサービスを利用しているわけでなく、やむなく利用している。受難者を国民が助け、再生させるという理念を忘れた議論は、方向性が違うと批判した。また、今後の部会出席については未定としながらも、意見書の提出も視野に入れた対応を考えているとした。
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