白クマ
日医白クマ通信 No.1605
2012年10月5日(金)


第1回特区対策委員会(プロジェクト)が初会合
「特区をめぐるさまざまな問題について活発に議論」

第1回特区対策委員会


 日本には現在、構造改革特区、総合特区(国際戦略総合特区、地域活性化総合特区)、スーパー特区、復興特区が運用されているが、今年7月に閣議決定された「日本再生戦略」では、行政区域単位の特区とは異なる機関特区の創設も提案された。

 日医ではこのような状況を踏まえて、現状における医療に関わる特区問題のさまざまな動きを注視し、対応していくことを目的として、特区対策委員会(プロジェクト)を設置、その初会合が9月27日、日医会館で開催された。

 委員会は、石川広己常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした横倉義武会長は、「最近の政府から出される政策提言を見ると、医療の市場化を目論んでいるような新自由主義的な表現が散見される」として、危機感を表明。「過度の市場競争に立つ新自由主義の攻勢に対抗していくためには今がまさに正念場であり、日医がしっかりと理論武装して対峙していくためにも活発な議論をお願したい」と述べた。

 その後、横倉会長より委員長に川島龍一兵庫県医師会長、副委員長に近藤稔大分県医師会長がそれぞれ指名された。川島委員長は、「医療の市場化を狙う動きに対して、共通の認識を持って取り組むためにも、現在行われている特区の問題点を抽出し、解決策を検討することで、今後の対応につなげていきたい」と述べるとともに、現在特区構想とは関係のない県医師会や郡市区医師会に対しても、特区への危機感を広めることも含め、考えていきたいとした。

 当日は、引き続き、オブザーバーとして参加した厚生労働省から、現在の医療関連特区の動きについての説明を受けた後、フリーディスカッションが行われた。

 各委員からは、「医療格差が拡大し、混合診療の全面解禁へとつながる恐れがあるものについては認めることは出来ない」「大学や企業等が地区や地域単位で行っている医療産業新規参入研究会等の動きを注視するとともに、必ず当該医師会が関与していくことが大切」「特区の創設をただ反対するだけではなく、基幹産業を育てるような明らかに国民のためになるものについては認めてもよいのではないか」「関係各方面や自治体に対して、特区構想に関する問題点を説明する等、地道な活動が大切」等、多くの意見が出された。

 最後に、中川俊男副会長が総括を行い、厚労省に対して、「今後も日医と協力しつつ特区問題に取り組んで欲しい」と要請し、会議は終了となった。

◆問い合わせ先:日本医師会 地域医療第一課・総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)


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