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定例記者会見 「TPP交渉参加判断に当たっての3つの条件を明示」 −横倉会長 |
TPPについては、安倍晋三内閣総理大臣とオバマアメリカ大統領が2月22日に会談を行った際に、「TPP交渉参加に際し、一方的にすべての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」ことが確認され、それらのことが共同声明にも明記された。そのため、国内では、交渉参加に向けた動きが加速している。 会見の中で、横倉会長は、まず、これまでの日医の動きとして、「将来にわたって国民皆保険を堅持することを強く求めるとともに、ISD条項により日本の公的医療保険制度が参入障壁であるとして外国から提訴されることに懸念を示してきたこと」、また、「安倍総理が訪米する直前の2月20日に、TPP交渉参加によって国民皆保険が揺るがされることのないよう、重ねて要望したこと」−等を説明。今回の共同声明については、「声明に明確な記載はないが、国民皆保険を壊すものではないと信じている」として、一定の理解を示した。 また、その理由については、(1) 自民党が、先の衆議院選挙で聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対するとの公約を掲げている (2) 自民党はそれ以外にも「国民皆保険制度を守る」「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」などを含む5つの判断基準を示している (3) 安倍総理から帰国直後に電話をもらい、オバマ大統領に国民皆保険の堅持について理解を求め、了解を得たとの説明を受けたこと−等を挙げた。 その一方で、横倉会長は、「知的財産分野における薬価や医療技術等」「金融サービスにおける私的医療保険の拡大」「投資分野における株式会社の参入」の3つがTPP交渉の対象になれば、国民皆保険の崩壊につながる可能性があると指摘。TPP交渉参加に対する懸念を改めて示すとともに、「日医は、日本の国益に反対する形でのTPP交渉参加には反対であり、交渉参加のためには国民皆保険制度の堅持が大前提である」と述べた。 更に、横倉会長は、そのために必要なこととして、第一に「公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること」、第二に「混合診療を全面解禁しないこと」、第三に「営利企業(株式会社)を医療機関経営に参入させないこと」−の3つの条件を明示。今後も、この条件が守られるよう、政府与党はじめ、野党の議員に対しても理解を求めていくとし、既に安倍総理に対して申し入れを行ったことを明らかにした。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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