白クマ
日医白クマ通信 No.1693
2013年9月6日(金)


定例記者会見
「第19回TPP交渉会合の報告」
―羽生田副会長

定例記者会見


 羽生田俊副会長は、9月4日の定例記者会見で、8月22〜30日にブルネイで開催された第19回環太平洋経済連携協定(TPP)交渉会合にステークホルダーとして出席したことに関して、以下のように報告した。

 ブルネイ政府主催ステークホルダー会合は、27日に、「知的財産」と「投資、物品市場アクセス、その他」という2つの部門に分かれて同時開催され、同副会長は、「知的財産」部門に出席。13の議題で一人7分という形での発言があり、7〜8割は反対意見の中で、米国研究製薬工業協会(PhRMA)は推進意見であったと説明した。

 その後の各国首席交渉官との対話の場では、バーバラ・ワイゼル米国首席交渉官と意見交換を行い、日医の副会長という立場で参加しているが、日本では公的保険制度による国民皆保険がTPPでどのように影響するのかという懸念を持っていると伝えたところ、「医療は議題に挙がっていない」との回答であったと述べた。

 更に30日には、自由民主党TPP交渉派遣議員団結果報告会(西川公也自民党TPP対策委員長、吉川貴盛同委員会事務局長)に出席し、鶴岡公二TPP首席交渉官からの報告を受け、日医、日本商工会議所、全国農業協同組合中央会による「団体あいさつ」の後、意見交換を行ったことを報告した。

 会議全体の印象としては、「政府のTPP参加への強い意欲と、報告を聞く限り、外国との交渉の中で審議官が強い意志で臨んでいることも肌で感じた。ただし、守秘義務が課されているために、交渉内容についての情報は十分には得られず、今後、情報を出来るだけ早く、また、出来るだけ多く提供してもらい、対応を議論させて欲しいということは伝えてきた」と述べた。

 今後について、同副会長は、細かい議題に関しては、分科会や二国間協議を行っていくということであり、10月7・8日にバリ島で行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議の際のTPP首脳会合が山場であり、そこで大きな進展があれば今年中の妥結もあり得るだろうが、細部では各国の思惑の違いも多く、年内に必ず妥結するとは言えない状況であるとの見解を示した。

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