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定例記者会見 「安倍総理の記者会見(10月1日)に対する日医の見解」 ―横倉会長 |
その上で、日医を始め医療関係の各団体は、これまで社会保障の充実に充てられることと、医療機関の消費税負担の問題が解決されることを前提として、消費税率の引き上げに賛成の意見を述べてきたと説明。今後は、その前提条件の一つである“控除対象外消費税問題”の抜本的解決が焦眉(しょうび)の急を告げる課題となってくるとした。 同会長は、社会保険診療は患者に出来るだけ負担させないよう、消費税創設時から非課税とされており、それによって歯科、薬局を含む医療機関は、設備投資やさまざまな費用にかかる消費税が大きな負担になっている現状であると説明。この仕入れにかかる消費税負担の問題は、地域医療を支えている医療機関の経営に大きな影響を及ぼし、日医を始め医療関係団体の長年にわたる重要課題であるとして、抜本的な解決を強く求めた。 その後、同会長は、日医の要望として、(1)消費税増収分の使途、(2)診療報酬上での扱い、(3)抜本的な対応―の3点を挙げ、具体的に説明した。 (1)消費税増収分の使途 更に、地域のニーズに合った医療提供体制の構築が極めて重要であり、地域のニーズを丁寧に収集し、分析する必要があるとした。病床の区分については、「高度急性期病床」「急性期病床」「回復期病床」「慢性期病床」の4つに整理することを提言した、日医と四病院団体協議会の「医療提供体制に関する合同提言」に触れ、さまざまな病期に適時・適切に対応するためには、急性期、回復期、慢性期を担う医療機関が適切に役割分担と連携をすることが必要だとして、地域医療提供体制の充実に出来るだけ多くの財源を充てるよう望むとした。 (2)診療報酬上での扱い
その理由としては、保険診療の価格には、診療行為の価格である「診療報酬本体」と、モノである薬や医療材料の価格があるため、診療報酬改定においては、「本来の医療の評価」と「消費税引き上げへの対応」の2つの要素に配慮しなくてはならないとして、消費税率が上がる時には、何らかの制度上の手当てをしなければ、さまざまなモノを仕入れて診療を行っている医療機関は経営が成り立たなくなってしまうと説明した。 (3)抜本的な対応
また、10%に引き上げ時の抜本的な税制上の解決については、自民党税制調査会で検討中だが、社会保険診療について、患者負担・保険者負担・国民負担のない、仕入れ税額控除が可能な制度の実現を望むとした。 最後に同会長は、「消費税増税に当たっては、適切な対応を重ねて政府にお願いする」と述べた。 ◆問い合わせ先:日本医師会年金・税制課 TEL:03-3946-2121(代) |
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