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定例記者会見 財務省資料「社会保障(2)(平成26年度予算編成の課題等)」に反論 ―中川俊男副会長 |
財務省が次期診療報酬改定についてマイナス改定の方向を示唆していることについて、同副会長は「社会保障・税一体改革においては、消費税増収による財源を社会保障の充実に充てることは国民との約束事項である。診療報酬を増額しないということはあり得ない」と反論。昨年2月に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」や昨年8月に施行された社会保障制度改革推進法においても消費税収を社会保障財源化することが明記され、安倍晋三内閣総理大臣も今年10月の衆議院予算委員会の答弁において「全額社会保障の財源として使う。経済対策には一銭たりとも回すことはない」と発言をしていることを挙げ、「政府の閣議決定、答弁において、消費税は社会保障給付費の国庫負担分の財源とすると決められている。財務省にはそのことを守っていただきたい」と苦言を呈した。 また、薬価改定で生じた財源を用いて診療報酬本体分の増額を行わないとの方針に対しては、過去の薬価改定において薬価の引き下げ分が診療報酬改定財源として認められてきた経緯があることを説明した上で、「健康保険法において薬剤は診察等と不可分一体であり、その財源を切り分けることのほうが不適当である。財源を引きはがすことは認められない」と強調。薬価マイナス改定の財源を診療報酬本体の改定財源に充てないということは、実質的に2002年から2006年まで行われた自然増に対する年2,200億円の機械的削減が復活することだと主張した。 更に、財政支援について地域医療ビジョンの策定を前提とする姿勢に対し、2014年度までに病床機能報告制度の運用を開始、2014年度中に国において地域医療ビジョンのガイドラインを策定、2015年度から都道府県で地域医療ビジョンを策定する方向で進められているスケジュールを拙速に前倒しすべきではないと危惧。地域医療が依然として危機的状況にある中、地域医療ビジョンの策定まで診療報酬による手当てを行わないことは、医療再興を大きく遅らせることになるとして、地域の実情に応じた基金などの財政支援とともに、診療報酬の増額が不可欠であるとした。 このほか、中川副会長は、資料の各論(1) 国民医療費とGDPの伸び率比較、(2) 医療提供体制の各国比較、(3) 自然増と診療報酬改定の関係、(4) 医師等の人件費と医療関係従事者数の伸び率の比較―についても、財務省の考え方の問題点を指摘した。 ※原文では財務省資料名中の数字は「丸数字の2」ですが、機種依存文字のため、「(2)」に置き換えております。ご了承ください。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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