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定例記者会見 「国民医療を守る議員の会」総会を受けて ―横倉会長 |
これを受けて、横倉会長は、翌11日の定例記者会見で、同総会に出席したことを報告すると共に、重ねて次期診療報酬改定に対する日医の見解を公表した。 同会長は、診療報酬改定は、地域医療を再興するためのスタートラインであり、同時に医療提供体制の改革への第一歩との考えを示した上で、国家財政が厳しい状況にあることは十分に理解しているが、これからの国民の医療はどうあるべきかとの視点から、プラス改定を重ねて政府に要求すると主張した。 また、わが国の高齢化がピークに達する2025年まであと11年しか残されておらず、この短い期間に、社会保障制度を持続可能なものにするよう、必要な改革に取り組んでいかねばならないとして、高度急性期から在宅まで切れ目のない医療を提供できるよう改革を進めるとともに、かかりつけ医を中心とした地域包括ケアを推進するため、日医は不退転の決意で改革を進めていくことを、ここに改めて明確にすると強調。そのためには、まず診療報酬で医療提供体制全体の底上げを行うことが重要だとした。 さらに、政府が雇用する側に対して賃金上昇を促していることに触れ、アベノミクスによって日本の経済再生を図っていく上で、医療従事者の所得を引き上げていく政策が重要であり、診療報酬による医療従事者の処遇改善を実現し、国民の生命と健康をこれまで以上にしっかりと守っていかなくてはならないとした。 同会長は、日医は、次期診療報酬改定について、(1)国民との約束である社会保障・税一体改革への対応、(2)地域医療を再興させ、切れ目のない医療を提供するための手当等、(3)消費税8%への増税分の補填―の3つにおいて、重ねてプラス改定を強く要求するとし、その内容を解説した。 (1)に関しては、病床機能の分化があり、高度急性期病床の評価や、7対1看護基準の適正化により、急性期後の受け皿の整備が必要で、回復期病床、有床診療所の評価が必要とした。また、在宅医療の充実、医療・介護の連携等、地域包括ケアシステムの構築も手当てされることになるが、この中心を担うのが、かかりつけ医であり、かかりつけ医機能の評価もきちんと行われなくてはならないとした。 (2)については、消費税が増税されたにもかかわらず、社会保障が充実されなければ、国民との約束を違えることになることから、救急、小児、周産期、がん、認知症対策等、地域医療を再興させ、切れ目のない医療を提供するための手当等が必要とした。 一方で、的確な投薬管理・指導の推進や、大規模調剤薬局の調剤報酬の適正化をしていくことも重要であり、薬価の見直しも当然改定財源とすべきと述べた。 (3)については、控除対象外消費税解消分の対応として、医療機関等に負担が生じないように引上げ対応分への完全な補填が必要とし、通常の診療報酬改定とは明確に区分して対応するよう求めているとした。また、この他に過去の控除対象外消費税の上乗せ不足は依然として存在するとの認識を示した。 最後に、同会長は、国民誰もが必要な医療を過不足なく受けられるよう、来たる診療報酬改定においては、プラス改定のための十分な財源確保を引き続き強く求めるとした。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代) |
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