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日医・四病協合同記者会見 「診療報酬改定への評価と今後の病床機能分化について」 |
横倉義武会長は、平成26年度診療報酬改定に関する答申が取りまとめられたことについて、改定財源が少ない中で真摯な議論を行った中医協委員に謝辞を述べた。さらに、個別の項目については、「主治医機能」「有床診療所」「在宅医療への手当」等が評価されたことに対して、「少ない財源の中で将来の病床展望に向けての方向性が示された」との考えを示した。 また、消費税8%への引き上げ対応分については、初診・再診料を中心に基本診療料と入院基本料に補てんされたことを評価するとともに、地域包括ケアの推進に関しては、「改革に向けた原資は十分ではないが、医療を担う専門家集団として進めなくてはならない」との志を示すとともに、新設された「医療提供体制改革のための新たな財政支援制度」については、各都道府県で計画を策定し実施することになっている。都道府県と日本医師会をはじめとする医療関係団体との連携が円滑に進むよう、日医と四病協が今後も協力して、大同団結しながら国民のための医療を提供するあるべき医療の姿の実現のため邁進するとした。 続いて、堺常雄日本病院会長は、現実的には厳しいとの印象を示し、7対1病床が削減される受け皿として、地域包括ケアを支援する病棟の設置などを各病院がどう判断するか。一方、病床機能分化に向けて、どのような体制をとるのか、点数を詳細に試算して検討し、方向性を見出していく必要がある。「改定財源を現場の医師の思いにかない、地域住民の思いに答える医療を提供できるかが今後の課題」とした。 猪口雄二全日本病院協会副会長は、今回の答申で、大まかな点数が出たが、厚労省から通知が出るまでは、性急に物事を決めるのは危険と考える。特に、病床の機能分化に基づき、診療報酬改定が行われることに対して、地域包括ケア病棟が、機能できるかが大きな課題であり、高度な7対1に対応できる病院は数が限られると考えており、それ以外の病棟に関しての具体的な評価は、通知等の後に考えたいとした。 山崎學日本精神科病院協会長は、今回の診療報酬改定では、精神科に関連する評価が多く加えられたが、算定要件、施設基準、患者要件等の縛りがあるため、実際には請求できないものが多いと考える。これでは地域移行や精神病床の機能分化もなかなか進まないと感じる。現実的に地域移行、病床機能分化を誘導できるような診療報酬の設定を今後考えるべきとした。 加納繁照日本医療法人協会会長代行は、今後の病院経営の問題として、世間では、アベノミクスに関連して、賃金のベースアップの考えが広がっているが、医療関係者のベースアップ財源は、どこにあるのか考えなければならない。 長瀬 輝諠日本精神科病院協会副会長は、精神疾患は、5疾病5事業に入り、精神保健福祉法の改正により、ますます地域で精神科医療を発展させなければならないが、加算を取得する要件が厳しく、地域に根差した精神科医療はを行うにはなかなか難しい。厚労省には基金等で対応いただきたいと考えているとした。 また、会見では、薬価引き下げ財源が本体改定財源から切り離され、消費増税補填分に回されたことに対して、「今回だけの特例」と指摘し、今後の診療報酬改定では同様の対応を認められないとの強い姿勢が各団体から示された。 ◆問い合わせ先:日本医師会 医療保険課 TEL:03-3946-2121(代) |
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