白クマ
日医白クマ通信 No.1757
2014年3月17日(月)


定例記者会見
「津波、洪水における避難確保計画ひな型(日医版)等を作成」
―石井常任理事

定例記者会見


 石井正三常任理事は3月12日の定例記者会見で、「医療施設等に係る避難確 保計画作成の手引き」を作成したことを公表し、その作成の経緯と内容を説明 した。

 本手引きの作成の経緯として、平成23年12月に制定された国土交通省「津波 防災地域づくりに関する法律」並びに「水防法」(洪水)に基づき、警戒区域 に立地し、市町村防災計画で指定された医療機関等の管理者に、避難確保計画 の作成や訓練実施の義務が課せられると定められたと説明(洪水は努力義務)。 日医では、国交省担当部局と協議を重ね、東日本大震災や過去の洪水の被災地 域等の現地施策等の検討を行った。その結果、「従業員等の身に津波による危 険が迫れば『従業員等も退避する』ということを基本とする」などを内容に定 めた避難確保計画作成の手引き(津波編、洪水編)を策定するに至ったとした。

 手引書は、「津波編」「洪水編」に分かれており、それぞれ、(1)計画の目 的、(2)計画の適用範囲、(3)防災体制、(4)情報収集及び伝達、(5)避難誘導、 (6)避難の確保を図るための施設の整備、(7)防災教育及び訓練の実施、(8)自 衛水防組織の業務に関する事項―で構成されている。

 さらに「津波編」については、日本医師会でひな形も作成し、各医療機関が 避難確保計画を策定する際に、施設名称や避難場所等必要事項を記入すること で計画書を作成できるよう工夫した。

 記者会見で、石井常任理事は、各医療機関が今回のひな形に沿って避難確保 計画を策定することを要望するとともに、「医療機関で実際に運用できるよう にマニュアルを作成した。東北の防災教訓に『津波てんでんこ』(津波が来た ら、取る物も取り敢えず、各自てんでんばらばらに高台へと逃げる)との伝え もあり、それに習う形で避難計画に『ぎりぎりになったら従業員等も退避する』 との考えを取り入れている。防災計画の対象は広範囲となるが、本手引きをよ く読んでいただき、地域の一員またはリーダーとして活動できるように計画を 策定してほしい。併せて、市町村に設置される審査委員会(仮)において、郡 市区医師会が参加し防災レベルの確保する作業にご利用いただきたい。」と述 べた。

◆問い合わせ先:日本医師会 地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒PDF(5.4MB)


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