白クマ
日医白クマ通信 No.1766
2014年4月4日(金)


定例記者会見
「第131回臨時代議員会を終えて」
―横倉会長

定例記者会見


 横倉義武会長は4月3日の定例記者会見で、3月30日に開催された「第131回日医臨時代議員会」を終えた所感として、(1)組織強化、(2)控除対象外消費税、(3)医療提供体制、(4)診療報酬―などについて、以下のとおり述べた。

 (1)まず、「組織強化」については、全ての会員が等しく医師会会務に参画出来る環境を整える観点から、勤務医と女性医師を登用するための定款改正として、理事定数を2名増員して29名とする提案を行い、承認されたことを報告。また、電子認証センターが新たに発行する医師資格証について、今後、一定程度、公的な意味合いを持ったカードとなるよう働き掛けていくとし、組織強化にも活用していく姿勢を示した。

 (2)「控除対象外消費税」の問題に関しては、消費税10%への引き上げ時までに抜本的に解決することを目指しているとした上で、非課税還付案に言及。日医の実現目標である「患者負担・国民負担・保険者負担を増やすことなく、仕入れにかかった消費税負担をなくす」との立場を共有するため、選択肢の一つであるが、その具体的な仕組みについては、税の仕組みによる還付か、予算措置による還付か、また還付の割合など、さまざまな観点から慎重に検討・評価をする必要があるとした。

 最終的な解決法が選択され、要望実現に向けて活動する時が来た時には、医療界が一枚岩となって活動することで抜本的解決が実現するとして理解を求めたとし、日医と同じ課税要望を掲げる病院団体や、非課税還付要望を掲げる他団体とも緊密に連携しながら検討を進めていく意向を示した。

 (3)「医療提供体制」については、地域医療ビジョンの策定・推進のため、都道府県が設置する「協議の場」に都道府県医師会が参画できるよう強く求めた結果、医療法改正法案に、「診療に関する学識経験者の団体」が明記されたことから、都道府県行政と積極的に情報交換、意思疎通が出来る関係を築いていくよう呼び掛けたことを説明。

 基金の活用方法については、厚生労働省が基金を活用すべき事例案を提示しており、地域医師会主体の事業、民間医療機関への実質的な支援となる事業が織り込まれているが、都道府県医師会の希望する事業の例示があれば、事例案の中に追加していくよう厚労省に働き掛けていくとした。

 (4)「平成26年度診療報酬」については、非常に厳しい財源の中での対応になったが、かかりつけ医機能の評価については、地域包括診療料と地域包括診療加算という2種類の点数を新設することになり、日本医師会が主張してきたかかりつけ医機能の評価の道筋を作れたとの成果を強調。算定要件である服薬管理は、改めて医師の業務であるということを明確にしたことが極めて重要な点であり、この観点に則って、調剤薬局との連携を考えていくことを求めたとした。また、外来の機能分化の中で、かかりつけ医機能を強化することで、今後の診療報酬改定で更なる評価を求めていく意向を示した。

 このほか、医療事故調査制度について、都道府県医師会が中心となって、院内調査を医療機関とともに行うとし、正当な医療行為が、刑法によって処罰され、地域医療が崩壊することの無いように、「医療関連死は医療事故調で究明する」というルールを一般化させていく意向を示した。更に、代議員より質問のあった特定健診・保健指導、認知症対策、新型インフルエンザ、看護実習、医学部新設などの課題についても、執行部で鋭意対応していくと述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会 総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)


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