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定例記者会見 「臨床研究および医の倫理について」 ―今村副会長 |
まず、同副会長は、近年の企業や研究者が関わったいくつもの事件により、わが国の臨床研究に対する信頼性が損なわれたことは非常に遺憾であるとし、臨床研究に携わる医師に対して国民から疑惑の目が向けられる事態は、わが国の医療界にとっても大変不幸であると述べた。 その上で、不正論文に関する国の調査において、企業のガバナンスの問題に加え、企業から研究医師への資金及び労務の提供に係る利益相反の問題、被験者保護を損なう研究倫理の問題、研究実施大学での体制の脆弱さ等が指摘され、同時に、事後に国が行う調査の限界も指摘されていると説明。 そこで、不正防止のために臨床研究の指導を行い、不正の疑惑があった場合に調査するために、横倉義武会長が、健康・医療戦略参与会合の第6回会合(3月31日開催)において、日本医療研究開発機構(仮称)に「不正論文の調査等を行う機関を設置すること」を提案したと紹介。また、厚生労働省では臨床研究の質の担保、被験者保護、利益相反、研究支援に係る透明性確保等の観点から法整備を検討中であり、今村定臣常任理事が委員として参加していることにも触れた。 同副会長は、特に不正の未然の防止策として、日本医療研究開発機構(仮称)を、研究者を対象とした講習会等の開催やガイドラインの整備・徹底等を行うといった倫理向上のための生涯教育を行う指導的組織とすることが重要だとの考えを示した他、日医としては、医師の倫理向上のために、「医師の職業倫理指針」の策定、医の倫理ワークショップの開催などを行っているが、引き続き、更にこれらを充実させることによって、法人として、医師の倫理向上のための活動を行っていきたいと強調した。 ◆問い合わせ先:日本医師会薬務対策室 TEL:03-3946-2121(代) |
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