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定例記者会見 日本人間ドック学会・健保連が示す健診の検査基準に対する見解(補足) ―高久日本医学会長、松原日医副会長 |
まず、高久日本医学会長は、通常、検査の「基準値」と言われているものには「基準範囲」と「臨床判断値」があるが、両者は意味するところが全く違っており、明確に区別すべきものであると説明した上で、先般、人間ドック学会・健保連が公表したのは「基準範囲」で、これは、多くの健常人から得られた検査値を集めて、その分布の中央95%を含む数値範囲を統計学的に算出したものであり、疾病の診断、将来の疾病発症の予測、治療の目標などの目的に使用することは難しいとの考えを示した。 また、一方、各種専門学会等により提唱されている診断基準の中で用いられている検査の基準値は、「臨床判断値」であり、例えば、日本動脈硬化学会の脂質異常症の診断基準に記載されているものなどがその代表で、これは、疫学的調査研究に基づいて将来の虚血性心疾患の発症が予測され、予防医学的な対応が要求される検査の閾値、つまり、予防医学的閾値という代表的な臨床判断値であるとした。 同医学会長は、「基準範囲と臨床判断値は全く異なる概念から生まれた数値であり、基準範囲(の上限値・下限値)と臨床判断値は異なるのが当然」とした上で、「疾病の診断、将来の疾病発症の予測、治療の目標に用いられるべきは臨床判断値である」と強調した。更に、「各メディアに対しては、このことを十分に理解したうえで適切な報道をお願いするとともに、人間ドック学会・健保連に対しても、この理解を世間に周知いただく努力をお願いしたい」と述べた。 |
◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第3課
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