白クマ
日医白クマ通信 No.1867
2015年3月30日(月)


定例記者会見
「災害時における医療支援について日医と各国医師会との間の協定(案)を策定」
―石井常任理事

定例記者会見


 石井正三常任理事は、3月25日の定例記者会見で、東日本大震災の教訓を踏まえ、今後起こり得るとされている大災害時における医療・救護活動のより円滑な支援体制の構築を図ることを目的として、「災害時の医療・救護支援における被災地域の医師の派遣と支援体制における相互承認に関する日本医師会と各国医師会との間の協定」(案)を策定したことを報告した。

 同常任理事は、東日本大震災時、30カ国以上から医療支援の申し入れがあったものの、医療支援の受入れ要件等を政府間で交渉したことにより、外国政府からの医療支援はイスラエル、ヨルダン、タイ、フィリピンの4か国に留まったことを報告。今後起こり得るとされている大災害に備えるためには、国内でのJMAT活動の更なる充実はもとより、災害の規模によっては外国の支援を受け入れる必要があることも想定しておく必要があることから、今回、協定を策定することになったとした。

 また、同常任理事は、外国からの医療支援受入れに当たっては、日本での医療行為について、1.医師法上、想定されていない緊急事態であることと、2.日医と海外の医師会との間で派遣される医師の資格等について相互承認を行うことが前提になると説明。本協定は、その前提に基づいて策定したものになっているとした。

 更に受入れる医療支援チームについては、(1)自己完結型の体制、(2)通訳及び国際協力の経験を有する日本人医師と併せて派遣、(3)1つの医療支援チームの活動は2週間程度に限定、(4)現地対策本部の指揮下でJMAT国際医療チーム(iJMAT:International Medical Team in JMAT)を組成し、JMATの一員として活動してもらうことを考えている。

 また、派遣をされる医師は、「感染症対策」「子どもの保健」「性および生殖に関する保健」「負傷」「メンタルヘルス」「非感染症」の分野におけるスフィア・プロジェクトの最低基準を熟知していること等が求められるとした。

 その上で、同常任理事は、「災害時の医療支援はあくまで現地の要請に基づくものでなくてはならず、今後は、本協定を基に、諸外国や地域の医師会と医師の派遣と支援体制における相互承認を行い、協定の締結を推進していきたい」と述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会総合政策研究機構 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒PDF(853KB)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.