白クマ
日医白クマ通信 No.1877
2015年5月1日(金)


定例記者会見
「ネパール大地震に対する日医の支援について」
―石井常任理事

定例記者会見


 石井正三常任理事は、4月30日の定例記者会見で、4月25日、カトマンズ北西約80kmを震源とするマグニチュード7.8のネパール大地震が発生し、全貌(ぜんぼう)は明らかではないものの、ネパールでの死者約5,000人、被災者約800万人(人口の3割)など、被害が甚大であることを踏まえて、(1)AMDA(The Association of Medical Doctors of Asia:認定特定非営利活動法人アムダ、菅波茂代表)による当初の被災地支援活動に対する財政支援、(2)都道府県医師会に対する義援金の募集―を行う方針であることを公表した。

 被災地では現在、AMDAが、27日に第1次派遣2名(職員1名、看護師1名)を派遣し、AMDAネパール支部メンバーと合流、第2次派遣2名(医師※1名/30日、看護師1名/29日)も現地入りし、活動中となっている[※日医国際保健検討委員会委員でハーバード大学公衆衛生大学院武見フェローでもある山本太郎長崎大学熱帯医学研究所教授]。

 また、CMAAO(Confederation of Medical Associations in Asia and Oceania:アジア大洋州医師会連合)による支援としては、2014年CMAAOマニラ総会で提案され、本年ミャンマー総会で審議・決定される予定であった、「加盟国における自然災害被災に対する財政支援」に関して、日医が、今回の震災発生を受け、総会での決定を待たずにネパール医師会への財政支援を行うことを提案していることを明らかにした。

 更に、日医は、「日本医師会ネパール学校・地域保健プロジェクト」[1992〜2004年の12年にわたるJICA(国際協力機構)との官民共同事業]の拠点として、コパシ地区にプリマリーヘルスケア(PHC)センターを建設するなどの医療支援活動を通じて、ネパール保健省内に学校保健担当部署の設置や乳幼児死亡率の低減体制の整備等の成果を上げ、2000年には、当時の国王から外国人に授与する最高位の「プラシッダ・プラバル・ゴルカダクシンバフ勲章」授与されるなど、ネパールと深い関わりがあることを紹介。その後、グローバルな医療活動の在り方を議論する「国際保健検討委員会」を会内に発足させる契機の一つとなったと説明した。

 石井常任理事は、「実際には、ネパール医師会と現在も連絡が取れず、被災状況も不明であるため、日医国際保健検討委員会委員長で武見フェローでもある神馬征峰東京大学大学院国際地域保健学教室教授が、同プロジェクトの収束期の5年間の活動を行った経験を基に、現在も現地NGOや保健省の幹部と連絡を取っていることから、そのルートなど、いろいろなチャンネルを通じて被災状況等の情報を得ながら対応していく」とするとともに、AMDAとの連携を図っていきたいとした。

 また、本年3月25日の定例記者会見で公表した「JMAT国際医療チーム(iJMAT:International Medical Team in JMAT)」にも触れ、今後、現地の安全やニーズを見定めた上で、効率的な活動が出来ないか検討していくとの考えを示した。

◆問い合わせ先:日本医師会国際課 TEL:03-3946-2121(代)
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