白クマ
日医白クマ通信 No.1880
2015年5月14日(木)


日医・四病院団体協議会「提言策定に向け、ワーキンググループ設置」

記者会見


 横倉義武会長は5月13日、四病院団体協議会の堺常雄日本病院会長、西澤寛俊全日本病院協会長、長瀬輝諠日本精神科病院協会副会長、加納繁照日本医療法人協会長代行と共に、厚生労働省で記者会見を行い、両団体が協力して、今後の医療提供体制の充実 並びに地域包括ケアシステムの構築を推進していく考えを表明。今後は、両団体でワーキンググループを設置し、現在講じられつつある諸政策の適切な推進や将来のあり方等について、具体的な検討を行い、提言の取りまとめを目指す意向を示した。

 横倉会長は、今後、各都道府県における地域医療構想の策定等、諸施策が本格的に実行段階に入る状況下において、両団体が改めて2025年やそれ以降のわが国の医療のあり様を論じ合い、提言を行っていくことは大変意義があることだと強調。提言をまとめる時期については、「病床区分の問題と診療報酬の問題を密接に絡めるべきではないと考えており、今後中医協で本格化する診療報酬改定の議論の行方にはこだわらず、年度内にまとめることとしたい」と述べた。

 また、その内容に関しては、各地域で医師会と病院団体が協力していけるような理念的なものとしたいと説明した。

 引き続き、あいさつした堺常雄日病会長は、2025年に向けて、医療提供体制をどのように構築していくかが大きな課題となっており、医療者が一枚岩になっていくことがますます大事になると指摘。「これまでは医師会と病院団体は対立していると言われてきたが、そのような時期は終わった。今回このように協力していけることは意義のあることだと思っている」と述べた。

 西澤全日病会長は、両団体が協力していくことの重要性を強調した上で、各地域においては、今回取りまとめる提言を基に、医師会と病院団体が協力して各地域に見合った医療提供体制を構築していくことに期待感を示した。

 長瀬日精協副会長は、「地域包括ケアシステムの構築に向けて、日精協としてもしっかりと協力していきたい」と主張。加納日医協会長代行も「2025年に向けては医療界全体でしっかりとやっていくことが大事であり、われわれも全力で協力していく」と述べた。

 両団体はこれまで懇談会を設けて、直面するさまざまな課題について議論を行ってきており、その結果を2013年8月には合同提言「医療提供体制のあり方」を公表、その後の病床機能報告制度や地域医療構想、地域医療介護総合確保基金の創設等につなげた他、2013年11月に公表した「医療提供体制のあり方〜地域包括ケアシステムの構築に向けて〜」では、地域包括ケアシステム実現のための医療提供体制の基本的考え方を示し、更には、「かかりつけ医」とともに、地域における医療・介護連携においてネットワーク構築、情報共有、多職種連携支援など、責任ある役割を果たす医療機関として「地域・医療介護支援病院(仮称)」を提唱している。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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