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定例記者会見 「日本医師会 病院における必要医師数調査」の結果を公表 ―釜萢常任理事 |
本調査は、5月1日現在の地域別・診療科別必要医師数の実態を把握し、医師確保対策、医師の偏在解消対策を検討することを目的として、実施したものである。 調査対象は全国8,462 病院であり、回収数は4,327 施設、このうち少なくとも基本情報の回答があったものが4,319 施設、有効回答率は51.0%であった。 必要医師数に関する調査については、2008 年に日医(以下、2008 年日医調査)が、2010 年に厚生労働省(以下、2010 年厚労省調査)が、それぞれ行っている。本調査は、この2つの調査を参考として実施しているが、必要な改良や簡素化を行っているので、それぞれの結果を単純に比較できるわけではないが、他に適切な比較対象がないため、結果を対比して示しているところがあることに注意が必要となっている。以下はその結果の概要である。 【必要医師数】 必要求人医師数倍率[(現員常勤換算医師数+必要医師数のうち求人中の医師数(常勤換算))÷現員常勤換算医師数]は1.06 倍、一方、必要医師数倍率[(現員常勤換算医師数+必要医師数(常勤換算))÷現員常勤換算医師数]は1.11 倍となっていた。 【診療科別】 求人はしていないものの必要ということで見ると、必要医師数倍率が継続して高いのは、リハビリテーション科、救急科に加え、産科、心療内科、病理診断科であった。 【都道府県別】 【病床規模及び機能別】
1つの病院で急性期、回復期、慢性期の3つの機能を持つ病院、地域包括ケア病棟入院料を算定しているような病院で医師不足となっている。 救急医療機関では、二次救急医療機関で医師不足であり、特に救急科の医師が不足している。 これらの結果を受けて、釜萢常任理事は「今回の調査では、2010年厚労省調査の結果と比べて、必要求人医師数倍率及び、必要医師数倍率の増加は認められなかった。2010年に本格的な医学部定員増が行われた後の医学生はまだ卒業しておらず、その効果も併せ、引き続き今後の動向も注視しながら今回の結果の要因についても考えていきたい」とした。 また、会見に同席した中川俊男副会長は、「今回の調査対象の病院では、医師不足が改善しているとは言えないまでも、悪化はしていないことが明らかとなった。医学部定員増が行われた後の医学生が卒業してくること、更には日医と全国医学部長病院長会議によりまもなく偏在解消策が取りまとめられることを考えれば、医師不足が飛躍的にとまでは言わないが、明確に改善されてくるとは言えるのではないか」との考えを示した。 なお、調査結果の詳細は、日医総研のワーキングペーパーNo.346を参照されたい。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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