白クマ
日医白クマ通信 No.1910
2015年8月20日(木)


日医・医学会合同記者会見
「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」について
―横倉会長、久医学会長、小森常任理事

定例記者会見


 横倉義武会長は8月19日、久史麿日本医学会長と合同で記者会見を行い、『HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き』を作成したことを公表した。

 横倉会長は、まず、「平成25年4月に施行された改正予防接種法において定期接種化されたワクチンのうち、HPVワクチンについては、ワクチン接種後に広範な慢性の疼痛、あるいは運動障害などの多様な症状がみられたため、その取扱いを厚生労働省の副反応検討部会において審議し、同年6月に積極的勧奨の差し控えが実施され、現在に至っている」とこれまでの経緯を説明。

 また、この間、さまざまな情報がメディア等で取り上げられるなか、昨年8月に当時の田村憲久厚生労働大臣が、子宮頸がんワクチンに係る新たな対策として、広範な慢性の疼痛や運動障害を中心とする多様な症状を呈する患者に対する医療体制の整備、ワクチンの接種後の症状に係る報告制度の強化、予防接種法上副反応報告として提出された症例の追跡調査の実施を表明したことを受け、日医としてもこれらの施策に協力してきたと語った。

 更に、昨年12月10日に、日本医学会(以下、医学会)との合同シンポジウム「子宮頸がんワクチンについて考える」を開催し、さまざまな立場からの意見を拝聴するとともに、科学的エビデンスに基づく議論の必要性を訴えたことや、同シンポジウム終了後の記者会見において、久医学会長と共に、現にHPVワクチン接種後にさまざまな症状で苦しんでいる方の診療に対する支援が必要との判断の下、日医、医学会が協力して診療ガイドラインを作成するなどの対応も必要との認識を示したことに言及。そうした経緯から、日医と医学会は、本年2月に編集会議を立ち上げ、その作成に着手し、ようやく『HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き』が完成したと説明した。

 同会長は、最後に、「この手引きが全国各地域の医療機関で広く活用され、更に患者さんの適切な治療に結びつくことを切に望む」と述べた。

 久医学会長は、「さまざまな症状をもつ患者さんに対する臨床現場での適切な対応を促すという視点で、さまざまなお考え、ご意見をこのような形で取りまとめた」と説明した。

 続いて、小森常任理事が、『HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き』の内容について概説した。

 同手引きは、(1)HPVワクチン接種後に症状が生じた患者への対応、(2)協力医療機関等との連携、(3)日常生活の支援と、学校(職場)、家庭との連携―で構成。参考資料として、「診療・相談体制」「関係法令、通知、制度等」「関連ホームページ」が添付されており、日医のホームページからもダウンロードできるようになっている。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒PDF(826KB)


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