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定例記者会見 「TPP協定交渉の大筋合意に当たって」 ―横倉会長 |
初めに同会長は、日医がかねてより、国民の健康を守る立場から政府・与党に対し、将来にわたって国民皆保険を堅持することを強く求め、安倍総理が日米首脳会談で渡米する直前の2013年2月20日に「TPPから国民皆保険を守るために」として安倍総理を始めとする政府関係者に申し入れを行い、その後、更に日米首脳会談後の2月27日に「TPP交渉参加判断に対する意見」として、TPP交渉参加によって国民皆保険が揺るがされることがないよう、重ねて申し入れを行うとともに、定例記者会見を行ったこと(日医白クマ通信?1643参照)を説明した。 それを受けて、安倍総理は我が国がTPP交渉に参加するに当たり、「公的医療保険制度はTPP交渉の議論の対象になっていない。国民皆保険を揺るがすことは絶対にない」と国会で答弁。また、自民党の外交・経済連携調査会「TPP交渉参加に関する決議」でも、「守り抜くべき国益」として、国民皆保険と公的薬価制度を決議しているとし、これらの経緯のとおり、日医の強い働き掛けにより、「TPP協定の概要」では、国民皆保険が守られる旨の文言が盛り込まれたとした。 その上で、具体的には、「第10章.国境を越えるサービスの貿易分野」において、日本は社会事業サービス(保健、社会保障、社会保険等)について包括的な留保を行っており、社会保障はラチェット条項(※2)の対象外とすることになっていること、また、「第11章.金融サービス分野」においても、「公的年金計画又は社会保障に係る法律上の制度の一部を形成する活動・サービス(公的医療保険を含む)、締約国の勘定、保証又は財源を利用して行われる活動・サービスには適用されない」となっており、我が国の公的医療保険制度はTPPの対象外とされていることの2点について、交渉団の粘り強い交渉によって、国民皆保険を守るための日医の要望が取り入れられたと説明。ただし、「第18章.知的財産分野」における「医薬品の知的財産保護を強化する制度」など、我が国の医療に与える影響が不透明な部分もあり、まだ詳細な内容が公表されていないため、現時点で個別の言及は避けたいとした。 最後に、同会長は、世界に誇る国民皆保険を守るために、1.公的な医療給付範囲を将来にわたって維持すること、2.混合診療を全面解禁しないこと、3.営利企業(株式会社)を医療機関経営に参入させないこと―の3つが絶対に守られなければないと強調。「今後、細部の詰めが行われた後に国内でのTPPの批准に向けた手続きに入るが、国会等国内での協議に当たり、与党や政府に対して、世界に誇る国民皆保険が守られるよう、強く求めていく」と述べるとともに、社会保障と経済は相互作用の関係にあることから、TPPの動向を引き続き厳しく注視していく考えを示した。 ※1:TPP協定の概要(日本政府作成)
※2:国が自国の産業を守るため、外資を規制すること等が出来なくなる仕組み。原則、法律で再び規制すること等を禁止する。 ◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代) |
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