白クマ
日医白クマ通信 No.245
2005年10月14日(金)


植松会長 尾辻厚労大臣に医療費についての要望書を提出

左:植松治雄会長、右:尾辻秀久厚生労働大臣

◆国民に良質かつ適切な医療を安定的に提供する立場から、少なくとも3%以上の診療報酬の引き上げを要望

 植松治雄会長ならびに日医役員(櫻井秀也・寺岡暉副会長、松原謙二常任理事)は、10月13日に尾辻秀久厚生労働大臣を訪ね、医療費についての要望書を手交した。

 植松会長は、尾辻厚労大臣に要望書の手交に至った経緯を説明したうえで、(1)医療の安全確保のために必要な医療従事者の人件費、(2)医療の質の確保(厚労省試算においても、医学・医療の進歩に伴う総医療費が年1〜2%増加と推定)、(3)小児医療・産科医療等――の問題について、日医の考え方を示し、それらの諸問題を勘案すると、少なくとも3%以上の診療報酬の引き上げが必要であると要望。今後、具体的な意見は、厚労省の各部局に行っていくこととなるが、尾辻大臣には国民の健康を守るために、大局的見地からご理解をいただきたいと話した。

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◆診療報酬改定に対する日本医師会の考え方

1.医療の安全確保のために
2.医療の質の確保のために
3.小児医療・産科医療等への対応

     ↓

少なくとも3%以上の診療報酬の引上げが必要である

(1) 医療の安全確保のための費用:1.5%
 ・医療安全確保のために、医療機関は従事者を増員している
 (医療従事者数の伸び率:約3%/2年)
 ・中医協医療経済実態調査による医療機関の人件費率:48.3%
  →3%×0.483≒1.5%(必要最低限の増加人件費)

(2) 医療の質の確保(医学、医療の進歩)のための費用:1.2%
 ・各医学会の要望の実現
 (学会要望の医療技術の保険導入はこの6年間停止したまま)

(3) その他:小児医療・産科医療等への対応のための費用:0.5%
 ・小児救急医療体制の確保
 ・産科医療体制の確保等

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記者会見

 植松会長は、同日に厚労省内の記者クラブで行われた記者会見のなかで、今回の要望に至った理由、“少なくとも3%以上の引き上げ”とした数字の根拠などを、医療が置かれている現況を説明しながら話した。

 質疑では、日医の今後の活動などについて質問が出された。植松会長は、医療経済実態調査等のデータに則した対応が必要であるとしたうえで、議論の相手はあくまでも厚労省であることを強調。医療制度改革における厚労省試案の早期提出を求めるとともに、その試案に対して適切な対応を取っていくとの考えを示した。また、その試案の作成に当たっては、日医も協力を惜しまないとした。

※詳細は、日医ホームページ掲載予定の日医ニュース10月20日号、日医ホームページ
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をご覧ください。


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