白クマ
日医白クマ通信 No.263
2005年11月8日(火)


産科における看護師等の業務(内診問題)について
分娩第I期の経過観察に看護師の関与を

記者会見


 青木重孝日本医師会常任理事、清川尚日本産婦人科医会副会長、石渡勇日本産婦人科医会茨城県支部長、稲葉憲之日本産科婦人科学会常務理事は、産科における看護師等の業務(内診問題)について、11月7日都内で記者会見を行った。

 冒頭、石渡支部長は、「分娩医療機関の消滅は、地元住民に不安を与えている。原因の一つに、看護師の内診問題がある」と述べ、従来から産科医療機関において医師の指示と責任において実施されていた“看護師による子宮口の開大度・児頭下降度の測定”ができなくなったことが、分娩医療機関の減少を招いていると話した。

 この混乱の原因となったものは、厚労省医政局看護課長通知(平成14年11月)、(平成16年9月)であり、ここで、“看護師による内診を禁止する”との判断を下している。 記者会見

 清川副会長と石渡支部長は、「今すぐにできる対応、国の英断をお願いしたい。安全な分娩に導くためには、医師、助産師、看護師の連携と協調が不可欠であり、分娩第I期の経過観察に看護師の関与を認め、医師の管理下での内診の一部(頸管の開大度と児頭下降度の測定)を診療の補助行為とみなすことにより、危機的状況にある周産期医療を改善すべく、国の英断を希望する。この10年に分娩数は3%減だが、分娩機関は20%減少している」と周産期医療を取り巻く状況について説明した。

 青木常任理事は、「分娩については、地域の診療所の果たしている役割がたいへん大きい。地元でお産をしたいと多くの妊婦さんが望んでいる」と話し、実態に即した対応が必要であると述べた。

 稲葉常務理事は、武谷雄二日本産科婦人科学会理事長名で厚労省医政局長宛に、この件で早急に対応を求める文書を、10月に提出していることを説明した。

◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)


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