|
緊急記者会見 医療制度改革関連法案の問題点を指摘−十分な議論を要望 |
唐澤祥人会長、竹嶋康弘副会長、中川俊男常任理事は、5月16日、都内のホ テルで緊急記者会見を行い、国会で審議中の医療制度改革関連法案について日医の考 えを説明した。 会見のなかで、唐澤会長は、「審議中の法案を地域医療に適用することを考 えると、不整合なものが多い」と指摘。地方からは、地域医療に大きな混乱を 来たす可能性があるとの意見が出ていることを明らかにしたうえで、随時、現 場の意見を強く主張していきたいと述べた。 竹嶋副会長は、「医療は国民のライフラインである」と強調。同法案に盛り 込まれている財政主導の政策を問題視するとともに、医療関係分野における質 の低下を危惧した。また、医療の地域格差や負担の公平性、社会医療法人の創 設の問題等にも言及し、地域医療全般を視野に入れた対応を求めた。今後の対 応としては、「十分な議論を尽くし、不備な部分については付帯決議、政・省 令等で適切に対応するよう要望していく」との考えを示した。 療養病床の再編に関しては、(1)介護保険3施設は、「いわゆる社会的入院 の解消」を目的として創設されたこと、(2)第3期介護保険事業計画(平成18 年度〜20年度)の策定には、介護療養型医療施設の廃止を含む療養病床再編計 画が織り込まれていないこと―を挙げ、制度設計から短時間で大幅な見直しを 迫るのは、論理性に欠けると説明。介護難民の流出、社会的資源の損失を防ぐ ためにも、早急に見直しを提言する必要があるとした。 また、4月に行われた診療報酬と介護報酬の同時改定についても、制度間の 整合性がなく、社会的入院の問題解決が示されていないと指摘。具体的な解決 策を早急に検討する必要があると述べた。 診療報酬改定については、(1)「医療区分1」の点数設定があまりにも低く 設定されていること、(2)月72時間に制限された看護師の夜勤時間等の人員基 準、(3)リハビリテーションにおける集団療法の廃止等―を、緊急に対応が必 要な事項として挙げた。また、告示から届出までの期間が非常に短いことを指 摘し、改定実施までの準備期間が十分に取れるような対応を求めていくとの考 えを示した。 なお、本日17日、医療制度改革関連法案は、衆議院厚生労働委員会で強行採決さ れた。 問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)
|