白クマ
日医白クマ通信 No.409
2006年5月25日(木)


石井常任理事らが川崎大臣と懇談
―小児救急医療の現状とその対応策について―

懇談会


 小児救急医療に関する厚生労働大臣との懇談会が、5月24日、厚労大臣室で開催された。

 当日は、日医から石井正三常任理事、師研也日本小児科医会長、別所文雄日本小児科学会長、小児科の女性勤務医らが出席し、小児救急医療の現状とその対応策について、意見交換が行われた。

 石井常任理事は、「小児救急医療を含む周産期医療に係る医師の過重労働の蔓延と常態化が大きな問題になっており、新しい世代の医師が同分野への参入を敬遠するという二次的な影響も顕著となっている」と、医療現場の現況を説明。「この問題は、少子化社会対策の根幹であり、周産期医療の整備・確保を放置したままに、いかなる施策を立案しても、実効性は確保されない」と強調した。

 産科、小児科医師を確保するために打ち出されている、集約化・重点化の問題に関しては、「各地域にガイドラインと選択肢を与えたと理解している」と指摘。「地域にはそれぞれの事情があり、地域医師会を中心として実情を検討し、小児科医の確保策として集約化が有効であれば選択すべきである」との見解を示した。

 今回の医療制度改革のなかで、「救急医療等確保事業」ごとの医療連携体制や医師等の医療従事者を確保するための協議会が法制化される予定となっていることについては、「地域の医療提供体制、医療連携体制は、その地域医療の担い手を代表する医師会が中心となって構築されるべきである」と改めて主張。「同協議会の場でも、医療確保の取りまとめは地域の医師会がしっかりと関与しなければならない」とした。

 最後に、総合的な少子化対策、救急医療のあるべきヴィジョン、小児救急医療の見地から、医師会・行政、立法府をも交えた早急な懇談と方向付けを決定することが喫緊の課題であると結んだ。

 出席者からは、「患者さんのQOLの向上だけでなく、医師のQOLの向上も同時に考えなくては、周産期医療における過重労働、女性医師の就労環境等の問題は解決しない」などの意見が出された。

 川崎二郎厚労大臣からは、主に医療機能の集約化についての質問があり、石井常任理事は、「地域の実情に応じた施策が重要であり、集約化したあとのヴィジョンを示していくことが必要」と指摘した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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