白クマ
日医白クマ通信 No.418
2006年6月1日(木)


【東京都医師会】鈴木会長 会長就任インタビュー

末長会長


◆鈴木会長の略歴◆

 去る5月18日(木)開催された第255回(臨時)代議員会において鈴木聰男氏が会長に選出された。
 鈴木新会長は、昭和14年東京都出身。昭和39年に東京医科歯科大学医学部を卒業。
 現在、渋谷区で内科医院を開設。都医理事・副会長を経て、平成18年現職に就任。67歳。 

(1)会長就任に当たって抱負をお聞かせください
 医師会の目的は日々患者さんと向き合って診療に従事している会員を支援することである。東京都医師会は日本医師会と地区医師会との間に存在する立場にあるため、地区医師会を通して会員の声を集め、それを日本医師会へ伝え、日本医師会の政策決定に役立ててもらう役割もある。この意味でも、日本医師会を全面的に支援していかねばならない。
 会員が医師会を一層身近なものに感ずるためには、情報の交換が必要である。ひとりでも多くの会員の考えを聞くために、あらゆる機会を通して、直接会員と話し合える場をできるだけ多くしていきたい。

(2)現状の医療制度をどう評価していますか
 医療も含めて社会保障制度全体が、厳しい国家予算のなか、改革の方向で進んでいるが、問題はその経済効率と医療とのバランスの決定のプロセスに多くの問題がある。疾病を持っている人はまさに社会的な弱者であり、この人々の意見を聞いているか、医療関係団体を代表する日本医師会のデータベースを充分に活用しているか、など単に経済効率の面だけからでは、この問題の真の解決にはならない。医療、介護、年金も含めて、社会正義と公平性について今一度皆で考えなおしてほしい。

(3)会員の皆さんに訴えておきたいことはありますか
 まず医師会を一層身近なものとして捉えてもらいたい。都民に安全な医療と、安心できる医療環境を提供するという場合に、重要なことは、もし何か問題が起きた時に、それを解決なり、よりよい方向へ導いていってくれるようなシステム、あるいは制度があるということである 。東京都医師会が、都民の視点から問題を考え、常に都民のことを考えているという姿で見てもらえること、これが大切である。これらの問題に対応するために、すでに委員会等が医師会内に作られている。個々の会員の善意と良心が、そのまま医師会全体の姿勢をとして捉えられるためには、それぞれの会員の医師会への信頼と支持が必要である。

(4)座右の銘はありますか
 「多様性のなかでの調和」が大切ではないか。東京都医師会は医療機関の数、経営形態の種類、専門性の内容、開業医・勤務医等の身分や境遇など、その多様性は他に例を見ない。しかしそこで東京都医師会は医療関係諸団体を代表する団体として行動し、社会からも、そのように認めてもらうことが必要である。それぞれの多様性を認めて、信頼と信義を基盤に、おおいに協議を重ねていけば、その中からかならず、調和が生まれると信じている。画一的統合、統一ではなく、多様性を認めたうえでの調和である。

◆問い合わせ先:東京都医師会 電話:03-3294-8821(代)


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