白クマ
日医白クマ通信 No.443
2006年7月5日(水)


定例記者会見
医師の需給に関する日医の見解を示す

内田健夫常任理事


 厚生労働省「医師の需給に関する検討会」が、6月28日、医師の需給等に係る報告書案を取りまとめたことに関連して、内田健夫常任理事は、7月4日に日医会館で記者会見を行い、医師の需給に関する日医の見解を示した。

 内田常任理事は、医師の需給に関する認識として、「現在起きているのは、医師の偏在(地域、診療科・分野、病院・診療所)が中心であり、それがさまざまな社会環境の変化と複合的に組み合わさって社会問題化している」と指摘。「『医療は“消費”ではなく“投資”』という考えのもと、十分かつ安定した医療財源を確保するとともに、各地域においては、地域の医療担当者を代表する医師会が中心となり、行政や大学などと医師の確保や医療連携体制の構築に向けた協議会をつくり対策を講じるべき」と述べた。

 医師の偏在対策については、主なポイントとして、(1)医師の確保、(2)医療機能の分化・連携、(3)医療安全、医療事故関係(医療に伴って発生する障害に対する無過失補償制度の創設の提唱、医師法21条問題の検討等)、(4)診療報酬の財源の確保(就労環境の改善等)、(5)生活習慣病対策、(6)人員配置標準の見直し、(7)へき地・離島等における診療の支援(後方病院の整備等を含めた遠隔診療の推進、ドクターヘリの普及等)、(8)ACLS(二次救命処置)の研修の推進―を挙げた。

 そのなかでは、具体的な医師の確保策として、1.地域医師会のドクターバンクなどを利用した、退職後のベテラン勤務医の活用、2.女性医師バンク、育児支援などを通じた女性医師の再就業、3.若手医師の活用(a.大学医学部の地元枠や奨学金の拡充、b.参加者が首都圏等に集中する傾向が見られる、医師臨床研修のマッチングの見直し、c.いわゆる後期研修におけるへき地等での診療)―を提案。また、医療機能の分化・連携については、一例として病院の外来業務を挙げ、「病院は、紹介外来・特殊専門外来に特化し、一般外来は診療所が担っていくべき」との考えを示した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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