白クマ
日医白クマ通信 No.51
2004年12月10日(金)

各都道府県医師会等主催で国民皆保険制度を守る運動が活発に行われております。参考までに各地の開催予定、開催報告を白クマ通信にてお知らせいたします。

茨城県医師会

◆◆◆医療を守る国民運動茨城県民大会を開催◆◆◆

 「医療を守る国民運動茨城県民大会」が12月1日(水)18時より、15団体で構成される茨城県医療推進協議会主催で水戸市民会館ホールにおいて、1,100名を超える参加者を得て開催された。

 開会に先立ち、デンゼルワシントン主演の映画「ジョンQ」ならびに、日医作成のビデオ「混合診療が解禁されたら」を上映し、混合診療導入がもたらす問題点について、参加者一同ともども再確認した。

 その後、第一部として、桂文楽師匠より「健康は笑いから」と題した講演が持たれ、古典落語の「時蕎麦」を織り交ぜながら、和やかに会場の笑いを誘った。

 一転して第二部の「医療を守る国民集会」では、原中勝征茨城県医師会長が主催者を代表して挨拶に立ち、混合診療解禁断固反対を強く訴え、各団体からの提言として、茨城県歯科医師会、同薬剤師会、同看護協会等の関係団体からそれぞれ発言をいただいた。

 中でも、三上裕司日本医師会常任理事、西島英利参議院議員の両名からは、混合診療がもたらす弊害、米国内で批判されている医療制度をなぜ日本が取り込まなければならないのかとした、矛盾と課題について力説された。また、司会を務める小松満茨城県医師会常任理事から、『「良い医療を受けたければ家を売れ」とした規制改革会議の宮内氏を私は断じて許さない』との発言に、会場は大きな拍手に包まれた。

 最後に、齋藤浩茨城県医師会副会長より決議文が読み上げられ、会場を埋めた約1,100名満場一致で採択された。

(文責:茨城県医師会常任理事 小松満)


◆決議◆

 現在、わが国は世界一の長寿国となっている。そのうえ、健康寿命も世界一であり、乳幼児の死亡率の低さも第一位である。これも国民皆保険制度が確立しているためである。

 人の命は平等であり、生命と個人との尊厳を守るべき医療の世界に、経済的な弱肉強食(市場原理)、差別医療の論理を持ち込むことは極めて不条理であり、弱者切り捨ての政策は絶対に容認できない。

 今般、政府の医療改悪策は、利潤追求を目的とした私的医療保険の参入を許すこととなり、公的医療保険が縮小・形骸化されるなど、現在、世界一と評価されている国民皆保険制度は崩壊し、国民に安心で良質な医療が平等に提供できなくなることは必至である。

 営利目的のために、国民の生命・健康を顧みない制度の導入は、我々は絶対に容認することは出来ない。

 誰でも、いつでも、どこでも安心して平等に医療を受けられる国民皆保険制度と地域医療を守るために、我々は次の事項を決議し、強く要求する。

1 国民皆保険制度と地域医療を崩壊させる「混合診療の解禁」に断固反対
1 医薬品の一般小売店における販売阻止
1 株式会社の医療参入に断固反対

平成16年12月1日
医療を守る国民運動茨城県民大会


徳島県医師会

◆◆◆国民医療を守る徳島県民集会を開催◆◆◆

 「国民皆保険制度を守ろう」と、県医師会、歯科医師会、看護協会、薬剤師会らで結成された徳島県医療推進協議会主催で、12月5日(日)午前10時から、徳島県郷土文化会館東側県民広場で開催された。野外会場のため、台風27号の影響で前夜からの悪天候が心配されたが、開会直前には晴れ間も見え、予想をはるかに上回る700名余りが参加した。

 最初に徳島県医療推進協議会会長の中川利一徳島県医師会会長が集会の趣旨説明を行い、県医師会、薬剤師会、看護協会の各代表が意見表明、最後に参議院議員西島英利氏が「混合診療の光と影」と題して基調講演を行った。

 つづいて決議の提案と採択があり、つぎの決議文を満場一致で採択した。


◆決議◆

 政府が一方的にすすめようとしている「混合診療解禁」は国民の医療費負担を増大させ、私的医療保険を拡大させ、生命の不平等をもたらす。

 国民の健康、福祉の充実は国の責務であり、社会保障のあり方や公的給付の縮小については公正で幅広い議論を尽くし、国民の判断を仰ぐべきである。

 われわれ徳島県医療推進協議会は、いつでも、どこでも、だれでも良質で安全な医療を受けることができる国民皆保険制度を守るため、つぎの事項を決議する。

1.国民皆保険の崩壊に繋がる混合診療に断固反対する。
2.医療への市場原理導入に強く反対する。
3.社会保障費抑制策に強く反対する。

平成16年12月5日
国民医療を守る県民集会
徳島県医療推進協議会

 集会後、会場から徳島駅周辺を一巡する約1.5キロのコースを「混合診療解禁反対!」「国民皆保険制度を守ろう!」とシュプレヒコールしながら約1時間デモ行進を行い、長蛇の列は300メートルにも及んだ。

(文責:徳島県医師会常任理事 古本真二郎)


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