白クマ
日医白クマ通信 No.516
2006年10月18日(水)


定例記者会見
「日本医師会による医師確保に関する見解」を公表

内田健夫常任理事


 内田健夫常任理事は、10月17日、日医会館で、記者会見を行い、「日本医師会による医師確保に関する見解」を公表した。

 同常任理事は、まず、医師偏在・不足の原因は、国による永年にわたる医療費抑制政策が根底にあると指摘。喫緊の課題である医師確保問題への対策を、日医では、(1)安全で良質な医療を平等に提供する体制の確保:へき地医療の確保、(2)勤務医の確保:特に外科系を中心とした救急医療の確保、(3)かかりつけ医機能の充実:診療所と病院との機能分化と連携、(4)医師会活動の強化:地域医療の充実、安定した医療提供体制―をコンセプトにまとめたと説明。日医が責任を持って取り組む主な対策としては、以下の3つを挙げた。

 1.ドクターバンクのネットワーク化:医師の再就職の情報提供および斡旋を目的とした無料紹介制度を立ち上げ、経験豊富で意識の高いベテラン勤務医を活用。また、都道府県医師会ごとに独自に活動しているドクターバンク間の連携を図り、全国的なネットワーク化と情報収集のセンター機能を果たす。

 2.女性医師バンクの創設・実施:今年度の女性医師バンクを中心とした厚生労働省「医師再就業支援事業」の受託に向け、本年度中の事業開始を目指し、職業紹介事業の許可申請など、最終調整中である。

 3.地域医療のデータベース化:実態に沿った、各地域の医療需要や供給などを全国的に調査。需給・偏在の将来予測も含めて、勤務医の就労環境、臨床研修の現況、住民・患者の意識、受療行動等のデータを把握する。また、各地区で取り組まれている先進的事例や問題事例を汲み上げ、日医から他の地域医師会へ紹介するシステムをつくる。

 さらに、同常任理事は、現在作成中の『医療と介護のグランドデザイン(仮題)』でも、中長期的な課題として医師の確保・偏在対策を取り上げていく予定であることを明らかにした。また、「いわゆる“後期研修”においてへき地等での診療経験を積むシステム」「開業医のかかりつけ医機能の充実と大病院における外来のあり方の見直し」「医師が安心して診療に携われる仕組みづくり」などの課題についても、会内の地域医療対策委員会で検討し、地域医療支援中央会議などの場で、医療提供者の代表である医師会として提言を行い、さまざまな取り組みや問題解決に当たりたいと意欲を示した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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