白クマ
日医白クマ通信 No.531
2006年11月10日(金)


定例記者会見
「ジェネリック医薬品に関わる緊急調査の分析結果について」

飯沼雅朗常任理


 飯沼雅朗常任理事は、11月8日の記者会見で、「ジェネリック医薬品に関わる緊急調査」において、品質・効果・副作用等について「問題あり」と指摘された、ジェネリックメーカーとその銘柄の集計結果を発表した。

 緊急調査は、日医ホームページを通じて、平成18年5月26日〜7月31日に実施されたもので、577人の医師が回答。9月12日の記者会見では、調査結果の概要が報告されている(定例記者会見を参照)。

 今回の緊急調査で、品質・効果・副作用等に「問題あり」と指摘を受けたのは、33社・73銘柄、総件数は89件であった。
 これらの結果を、銘柄数別・会社別に見ると、上位5社で44銘柄、全体の約60%を占めることが明らかとなった。
 また、件数別・会社別に見ても、上位5社で55件と全体の約62%に達し、銘柄数別・会社別に集計した上位5社と同一の5社が上位を独占する結果となった。
 さらに、薬効分類別・先発品目別に見ると、(1)解熱鎮痛消炎剤で2剤10件、(2)精神神経用剤で3剤6件、(3)不整脈用剤・血圧降下剤・血管拡張剤で11剤15件、(4)高脂血症剤で2剤13件、(5)消化性潰瘍剤で6剤11件、(6)その他の泌尿生殖器官及び肛門用剤で1剤5件―の問題が報告されている。

 飯沼常任理事は、(3)のいわゆる循環器系の薬剤については、副作用と推測される事例など、多くの問題を指摘する意見が寄せられていることから、特に注目すべきであると指摘。また、(1)の解熱鎮痛消炎剤に関しては、長期に投与を行うと、薬剤性潰瘍を発症する可能性もあるとして、その安全性に危惧を示した。

 また、先発品と同様に適切な審査が行われ、薬剤の安全性・有効性などがすべて証明されれば、ジェネリック医薬品を使用することに問題はないとの認識を示す一方で、特許が切れたあとの先発医薬品の価格が、高止まりする傾向にあることに触れ、その価格のあり方についても問題提起した。

 今後の対応については、なるべく早い段階で、これらの調査結果を厚生労働省に提示し、具体的な対応を要請するとともに、「問題あり」と指摘された薬剤の申請・承認時の書類開示を求め、調査で浮かび上がった問題点の原因を探る手がかりにしたいとした。

※資料はこちら:http://www.med.or.jp/teireikaiken/index.html

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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