白クマ
日医白クマ通信 No.535
2006年11月15日(水)


第3回有床診療所に関する検討委員会
有床診療所療養病床の今後について議論

第3回有床診委


 第3回有床診療所に関する検討委員会が、11月10日、日医会館で開催された。

 審議は、(1)有床診療所療養病床の今後のあり方について、(2)改正医療法と有床診療所の今後の法制上の運用について、(3)助産師に関する問題について、(4)その他、地域における有床診療所の今後の機能と役割について−であった。

 冒頭、竹嶋副会長は、「日医では、療養病床再編の問題について、中医協にデータを提出するなどして修正する努力をしている。医療法21条の問題、助産師の問題など、政治的な要因を含む問題については、関係政治家への働きかけも行っている。療養病床をめぐってはさまざまな動きがあるが、有床診療所の歴史的経緯、固有の役割などから、地域医療の要になることを願っている」とあいさつした。

 意見交換は、有床診療所の活性化を目指す議員連盟についての話題から始まり、有床診療所のもつ療養病床の今後について意見が集中した。

第3回有床診委


 主な意見としては、「病院の介護療養病床が廃止になれば、介護難民が出ることが想定される。それを受け入れるのは、有床診療所の病床しかないのではないか」「有床診療所の介護療養病床をミニ老人保健施設に転換するという考え方が出てきているが、これにどのように対応すべきか、早急に意見集約を図るべきだ」「19床以下のなかで、急性期、慢性期という明確な区分はあまり意味をもたない。柔軟に患者を受け入れる体制を整えるべきだ」「有床診療所は本来、医療保険で運営されるべき施設で、医療保険の給付だけで対応するという、有床診療所独自の新しい概念を提唱すべきではないか」「急性期の医療保険対応を終えた患者は、介護保険でみられるような余地を残しておくべきだ」などの意見が出された。

 これらの有床診療所の療養病床に関わる課題については、早期に意見を集約することで、委員の合意が得られた。

 このほか、(3)では、医師会側と厚生労働省との打合会の討議の内容などが報告され、助産師が不足している現状に変化がないため、産科から撤退する施設があいついでいることへの危惧が示された。

問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03−3946−2121(代)


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