白クマ
日医白クマ通信 No.547
2006年12月1日(金)


定例記者会見
「ドクターヘリに対する日医の見解を公表」

石井正三常任理事


 石井正三常任理事は、11月29日、ドクターヘリに対する日医の見解について、記者会見を行った。

 日医では、これまでドクターヘリをはじめとする医師によるプレホスピタルケアの推進を提唱してきており、この趣旨からも、全国への普及拡大については、法制化の有無に関わらず異論はないとしてきた。また、会内の「救急災害医療対策委員会」で検討を行い、「ドクターヘリ法案化に関する課題」をとりまとめ、(1)医師会によるドクターヘリ事業の整備指針(国)、体制整備計画(都道府県)への関与、(2)メディカル・コントロールの確保、(3)ドクターヘリの運用費(航空会社への委託費、医師等の人件費等)の負担財源―の3点を課題として挙げた。

 (1)の国の整備指針については、財源のあり方等、全国的なドクターヘリ体制の整備に向け、日医が関与することを法令上明記するように求めている。また、都道府県体制整備計画についても、メディカル・コントロール体制の確保を含めたドクターヘリの体制整備に、都道府県医師会が関与するよう求めた。

 (2)では、ドクターヘリの出動要請等を医師の指示下におくため、まず、ドクターヘリの出動要請の判断、要請系統を定めたプロトコール、マニュアルを作成。その後、ドクターヘリ要請の要否や、その運営に至るまで、医学的に事後検証を行い、その結果を、全県的、全国的に把握・研究し、マニュアルを改善する。このような、(間接)メディカル・コントロールの確保を法令上明記し、全国的に展開していきたいとした。

 (3)では、平時における危機管理であるドクターヘリの運用費は国・地方自治体が責任を負うべきもので、健康保険財源による運用費の負担は認められないと強調。健康保険財源による負担は、診療報酬上の評価(往診料650点+救急搬送診療料650点)で、すでに実施されているとし、医療そのものとは直接関係のない運用費の財源は、公費または基金で負担すべきとした。

 なお、石井常任理事は11月17日に行われた与党ドクターヘリワーキングチームのヒヤリングに出席し、ドクターヘリ法案化に関する課題について、上記の趣旨の説明をしている。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)

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