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定例記者会見 「診療報酬改定により、医業経営にも深刻な影響が」 |
調査では、税理士・公認会計士の全国ネットワークである「TKC全国会」から、同会会員の会計事務所が月次監査を実施している、医療機関の平成18年4月〜6月の損益データの提供を受けて、前年同期と比較分析。診療報酬改定の影響を検証した。分析対象が平成17年、18年とも同じ医療機関である点や(定点観測)、同一の会計システムを介して収集されたデータである点が特徴で、非定点のデータを基本とした中央社会保険医療協議会の「医療経済実態調査」よりも、信頼性が高いと思われる。 調査結果をみると、経常利益の前年比は、診療所(個人)マイナス3.8%、診療所(法人)マイナス28.8%、病院(法人)マイナス23.9%だった。診療所の診療科別の経常利益率で、前年比がプラスになったのは、個人・法人とも、産婦人科のみ。それ以外の診療科は経常利益率が軒並み低下している。個人では、整形外科、法人では精神科と外科のマイナス幅が大きかった。 法人病院は、すべてのカテゴリーで経常利益率が下がった。とくに低下が著しかったのは総合病院で、前年に比べて約40%低下、次いで外科系、精神科系が約25%低下、内科系でも約20%低下した(カテゴリーはTKC全国会による区分)。 法人については、損益分岐点比率も比較したが、経常利益率同様、診療所、病院ともに悪化。眼科、耳鼻咽喉科を除く診療所の診療科および、病院のすべてのカテゴリーにおいて、危険水域といわれる90%を超えた。このうち診療所の外科は100%を超えており、すでに医業損益が赤字に転落していることを示している。 分析結果について、同常任理事は「診療報酬改定の影響が医療機関にとってかなり厳しいものになっていることが改めて分かった」と憂慮。今後もTKCからの協力を受け、医療機関の実情を明らかにしていきたいとした。 |
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