白クマ
日医白クマ通信 No.58
2004年12月28日(火)


中医協の在り方の議論は慎重にすべき ―櫻井副会長―

 12月24日に公表された「規制改革・民間開放推進会議」の「規制改革・民間開放の推進に関する第1次答申」に対して、櫻井秀也日医副会長は、以下のような感想を述べた。(要旨)

いわゆる「混合診療」の問題について:

 「規制改革・民間開放推進会議」(以下「推進会議」と略す)は、「混合診療」解禁の意義は、「公的保険で国民の医療ニーズを賄うのは最早限界だから、自費診療を導入することにある」と明言していたにもかかわらず、そのことを隠して、患者さんのために「混合診療」が必要だと主張している。

 本当に患者さんのためを考えるならば、必要な医療は、自費診療ではなくて、保険診療で提供されるようにすべきである。「推進会議」は論点をねじ曲げて「混合診療」を解禁しないと大きな経済負担がかかると喧伝しているが、「混合診療」にしないで、保険診療ができるようにすれば負担は少なくなるはずである。本当の「患者本位」の医療は、必要な医療が保険診療で受けられるようにすることにある。

中医協の在り方について:

 現在の中医協は透明性、中立性、公正性を確保しながら議論を進めている。中医協は公開されているが、「推進会議」の委員が1回でも傍聴に来たことがあるだろうか。現場の議論を1度も見たこともなしに、勝手な意見を言うのは遺憾である。現在進行中の中医協改革は、公益委員の提案を1号側、2号側の委員が受け入れたもので、公益委員によって作られたものである。公益委員は、国会の承認で選任されているもので、その意見による改革を否定するのは、国会を否定していることになり、議会制民主主義を否定することでもある。国会が選んだ公益委員の提案による改革の成果を少なくとも1〜2年は見極めたうえで、あらためて中医協の在り方を議論すべきである。


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