日医白クマ通信 No.60 2005年1月14日(金) |
第2回第IX次生命倫理懇談会 終末期医療に関する議論が深まる |
第2回 第IX次生命倫理懇談会が、1月12日、日医会館で開催された。
議事は、(1)終末期医療の定義、(2)その他―であった。
当日は、終末期医療の定義についてフリートーキング形式で行われ、医師の判断と患者の同意(患者が判断できない状態の場合は家族)によって終末期医療に移る線引きがあるとする論に対して、「末期医療といっても、小児の難病や老人のがん末期など、個々のケースで千差万別であり、一概に定義できないのではないか」「医師の側としては、全力で治療に向かっていたものを、ここから末期医療なので、緩和医療に切り替えるという転換は非常にむずかしい」という意見が出された。さらに、「医療側の論理でなく、患者の意見をもう少し尊重すべきではないか」など、さまざまな意見が出された。
高久史麿座長は、「末期医療に入るべきかどうかについての判断は医師がせざるをえないが、患者および家族とのインフォームド・コンセントを十分にとる必要がある。終末期医療の定義については、引き続き行っていく必要があると考えている」などとまとめた。
今後、さらに議論を深めていくことになっている。
日医の医療事故防止策を説明 藤村常任理事 |
医療事故の多発等により、国民の間に医療への不信感が増しはじめ、医師と患者の信頼関係を回復することが喫緊の課題となっている。そのようななかで、藤村伸常任理事は、白クマ通信のインタビューに答え、信頼回復に向けた日医の取り組みについて説明を行った。
医療事故の防止策については、都道府県医師会の協力を得て、過去三年間の紛争処理の実態を全国的に収集し、現在、その分析を行っているとしたほか、会内の「患者の安全確保対策室」を中心に関係する委員会が連携して、医療事故防止に向けた対策を検討していることを明らかにした。
また、いわゆるリピーター医師への対応については、「日医として、早急にリピーター医師を対象とした再教育制度を構築したい」と述べたうえで、その対象者の選考に当たっては慎重に行っていきたいとした。
(詳細は、日医ニュース1月20日号に掲載予定です。)
鹿児島県医師会 |
鹿児島県医師会(米盛學会長)は1月12日、厚労省が平成18年スタートをめざして検討を重ねている医療法人改革について勉強会を開催した。
約400人が出席し、同省医政局指導課の山下護課長補佐の講演を聴いたあと質疑応答、理解を深めた。
山下課長補佐は、現在の特定医療法人と特別医療法人の一本化を中心とする「認定医療法人」創設に向けた作業内容を説明。この中で
―を基本的な方向と位置づけ、50年経過した現行の法人制度を改革する必要があると強調した。
背景として「株式会社参入」の攻勢がかかっている状況や、自治体病院の見直し、さらに金融界に対する医業経営の明確化など、とりまく環境があると指摘、制度改革への意欲を披瀝した。
出席者から税法との関連や診療所など一人法人の場合どうなるか、グループ化によってどんな形で自治体病院の受け皿に結びつくのかなど質問が続出、活発に応答した。山下課長補佐は「認定医療法人は公益性の高い医療を担う、保健医療から福祉にまたがる多様な事業展開が可能、地域住民に情報提供することで信頼を確保できるなどの医療提供体制を構築できる。8月までにまとめるので、これからも批判や不満、意見を寄せてほしい」と話した。
(文責:鹿児島県医師会広報室)
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