白クマ
日医白クマ通信 No.600
2007年2月21日(水)


第4回医師の臨床研修についての検討委員会(プロジェクト)
「新医師臨床研修制度の評価と問題点について討議が行われる」

第4回医師の臨床研修についての検討委員会


 第4回医師の臨床研修についての検討委員会(プロジェクト)が、2月14日に日医会館で開催された。

 最初に、2月5日に開催された医道審議会医師分科会医師臨床研修部会について厚生労働省から報告があり、同会議で行われたヒアリングの資料として提出された福井副委員長による「2年次研修医の臨床能力にもたらした新医師臨床研修制度の影響」ならびに堺委員による「研修病院からみた医師臨床研修制度」についてそれぞれ説明があった。

 福井副委員長は、研修医の臨床能力を、a.基礎的な臨床知識・技能、b.やや専門化した臨床知識・技能、c.行動科学・社会医学的側面を持った臨床知識・技能、d.臨床研究のための知識・技能に分類し、それぞれの項目について、2年次研修医が自己評価した集計結果を発表した。結果をみると、ほとんどすべての項目で、新制度導入後の方が高い自己評価となっており、新制度の有効性を示す内容であった。

 聖隷浜松病院院長の堺委員からは、同病院が、プログラムや診療体制・指導医体制の整備、研修医評価の充実、財政基盤の確立など全病院的に取組んでいる状況が報告された。同委員は、制度の評価・意義について、研修の到達目標が明確になったこと、マッチングにより研修病院への門戸が開かれたこと、プライマリケアの関心が高まり、良い医師が育ちつつあることなどを挙げた。

 この後の意見交換では、臨床研修制度を是とする結果や評価に対して、「新制度導入によって都市部はよいが、多くの2次医療圏では医師不足問題が深刻である」、「基礎医学や生命科学などの研究職志望者が減少している」、「一定期間は地域医療に従事することを義務付けるなどの策を講ずることも考えてはどうか」、「卒業生8,000人に対して、12,000人の受け皿があり、医師標欠病院も臨床研修病院として認められている現状はいかがなものか」、「卒前教育、卒後臨床研修をそれぞれ管轄する文科省と厚生労働省が意見調整をし、一貫した教育体制を築くべきである。それにより臨床研修2年の短縮化もありうる。」などの問題点や改善すべき点が指摘された。

 最後に、日本医師会の飯沼常任理事から、新医師臨床研修制度はさらに時間をかけて検討し、評価されていくべきで、今後も継続して議論していきたいという発言があった。

◆問い合わせ先:日本医師会生涯教育課 TEL:03−3946−2121(代)


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