白クマ
日医白クマ通信 No.614
2007年3月16日(金)


定例記者会見
「平成18年度地域医療対策委員会中間報告書について」

内田健夫常任理事


 内田健夫常任理事は、3月14日の定例記者会見で、地域医療対策委員会(委員長・久野梧郎愛媛県医師会長)が、唐澤人会長からの諮問「地域医療提供体制の今後と医師会の役割」に対して、中間答申「医師確保に関する喫緊の対応」を取りまとめたことを発表し、その概要を説明した。

 地域医療対策委員会は、少子高齢化を迎えた日本における、地域医療のあり方、とりわけ地域医療連携の重要性に鑑み、平成18年度から日医の常設委員会として新設されたもの。

 今回の中間答申では、喫緊の課題である「医師確保の問題」について、国民・患者の視点を基本に、医師・医師会として実行し得る現実的な医師確保対策が提言されており、第I章「医師需給問題のこれまで」、第II章「日本医師会の対応」、第III章「委員会の提言」の全3章から構成されている。

 第I章では、医師需給に関するこれまでの経緯や、「医師の需給に関する検討会」および「地域医療に関する関係省庁連絡会議」が公表した報告書の要旨等が、また、第II章では、昨年10月に日医が公表した「日本医師会による医師確保に関する見解」と、日医の医師確保対策に対する同委員会の見解が紹介されている。

 第III章では、(1)研修医の地域偏在、(2)各大学の地域定着の推進、(3)ドクターバンクの効果的な運営、(4)診療科の偏在対策、(5)病院のオープン化対策、(6)地域住民・患者との相互理解、(7)医師不足地域対策―について提言がなされている。

 特に、医師不足地域対策については、「医学部卒業後の新医師臨床研修制度の研修終了後の一定期間内に、へき地や医師不足地域での勤務の義務化を考慮する」と、踏み込んだ内容の医師確保対策が盛り込まれている。

 内田常任理事は、「へき地や医師不足地域での勤務の義務化を考慮する」という文言は、あくまでも委員会として提言したもので、日医が義務化に賛成の立場を取るものではないと強調する一方で、今後の方向性を決定するプロセスのなかでは、ひとつの議論になるとの見解を示した。

 なお、医師確保の問題については、今後も同委員会で継続して議論される予定。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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