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定例記者会見 「社会保険庁の収支見通しの問題点を指摘」 |
日医が問題視しているのは、社会保険庁が3月29日に公表した「政管健保(医療分)の平成19〜23年度に係る収支見通し」。このうち保険料収入を見込む際の基準となる賃金上昇率は、I〜IVでの4つのケースで試算しているが、もっとも楽観的なケースI(3.0%〜4.1%で推移)以外は、いずれも厚生労働省がほかの資料(2007年2月公表の「人口の変化等を踏まえた年金財政への影響」では3.0%〜4.1%を前提としている)で用いている賃金上昇率の前提を下回っている。 一方、支出である保険給付費、1人当たり保険給付費について、日医総研が収支見通しから逆算して推計したところ、保険給付費は2006年度から2007年度にかけて4.5%増、1人当たり保険給付費は2007年度から2008年度にかけて3.8%増と高い伸びを見込んでいる。診療報酬本体のマイナス改定や患者一部負担割合の引き上げを除いた、2001年度〜2005年度の保険給付費、1人当たり保険給付費の伸びの平均は、いずれも年2%未満に止まっていることからも、社会保険庁があえて収入を過小、支出を過大に見積もっている可能性があるとしている。 その背景として、社会保険庁の公法人化について言及。政管健保の運営は2008年10月に全国健康保険協会に移管されるが、(1)移管のためのコストについて何ら予算措置がとられていない、(2)過去の累積赤字補てんのための借入金(1.5兆円)については、一般会計で返済することになっているが、いまだに実現していない―ことから、同常任理事は、「財政危機を主張して保険料を引き上げ、移管コストと借金返済に充てる恐れがあるのではないか」と危惧。「保険料率の検討は、現在の借金の弁済が済んでからにするべきだ」と話した。 ◆問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代) ◇定例記者会見資料はこちらから
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