白クマ
日医白クマ通信 No.653
2007年5月15日(火)


【北海道医師会】長瀬会長 会長就任インタビュー

北海道医師会 長瀬会長


 3月10日の定時代議員会で長瀬清氏を選出した。

◆長瀬新会長の経歴◆

 昭和13年北海道の出身。昭和44年北大大学院を修了、現在、札幌市で内科医院を開設。道医副会長を経て、平成19年現職に就任。68歳。

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(1)会長就任に当たっての抱負をお聞かせください

医療情勢の極めて厳しい状況の中で医師会長となり、誰からも支持される医師会活動を行っていくことの困難さを強く感じています。介護保険制度改正と医療制度改革関連法の施行により、この数年試練の年と覚悟をしています。

自己負担の増す国民と、医療経営を考えながら良質の医療の提供をしなければならない医療機関、過重労働に喘ぐ勤務医のことを思うとき、医師会として何が出来るか考え、素早く実行に移していくことが求められていると感じています。医療費抑制策にのみとらわれている、間違った医療政策を国民と共に正していくよう、力を尽くしていきたいと考えています。

北海道医師会としては、上(日医、行政)からの情報を迅速に下(郡市医師会)へ伝え、下の意見を上にあげ、適正な医療が広く国民一般に提供されるよう、日常の活動を行うよう心がけたいと思っています。

(2)現在の医療制度をどう考えていますか

戦後新生日本の今日の繁栄を支えてきたのは、世界に誇る優れた医療制度にあります。昭和36年に国民皆保険制度を達成し、めざましい健康増進時代を築いてきました。今や男女とも健康寿命世界一で、WHOからも日本の医療制度が世界一との折り紙を付けられました。しかし度重なる医療費抑制政策による医療制度の改変から、医療制度は危うい運命に晒されています。他の先進諸国と比較して、低医療費で良質、安全な医療が、広く国民一般に貧富の差なく平等に提供されています、現在の医療制度を、国民みんなの力で守り通していくことが求められています。

(3)会員の皆さんに訴えておきたいことはありますか

最近の医療界は様々の面で問題が噴出しています。今までも勿論、同様に問題としてあったのですが、世の中全般に考え方、価値観が変化したために、表面化してきたと考えられます。地域の医師不足、勤務医の過重労働、医事紛争の頻発等々個人では解決不可能な問題です。医学・医療の進歩、医療制度の多様性も個人の努力のみでは追いつけません。我々医師はプロフェッショナルな集団として力を合わせ、これらに対処していかなければないと考えています。会員の皆様のご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

(4)座右の銘はありますか

温故知新です。

◆問い合わせ先:北海道医師会 TEL:011-231-1432(代)


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