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記者会見 一般紙1面報道「開業医の初診・再診料下げ」は事実無根 ―日医の見解を示す |
中川俊男常任理事は、5月18日、都内で会見し、当日付一般紙朝刊に「開業医の初診・再診料下げ―厚労省方針来年度から 病院との格差是正―」という見出しで掲載された記事について、当日午後、武見敬三厚生労働副大臣と保険局長が厚労省で開いた緊急記者会見で、「事実無根」だと否定したことに触れ、これに対する日本医師会の見解として、以下の3点を述べた。
(1)憶測記事の掲載は、国民に誤解を与えるだけでなく、医療現場に混乱を来し、今後の政府の審議会等の動向にも影響を与えかねない。真摯に反省し、メディアの影響力の大きさを改めて認識すべきである。今後すべてのメディアが客観的事実に基づく公正な報道に努めて欲しい。
(2)記事中で、開業医の報酬は勤務医より高く、一方で従業時間が短いとされたが、開業医の収支差(記事では「報酬」と表現されている)から税金・再投資費用などを差し引かなければならず、その結果は勤務医より大幅に高いものではない。また、開業医は、従業時間外に、地域医療を支えるためのボランティア的な時間を費やしている。開業医が楽であるかのような報道は遺憾である。
(3)厚労省は、開業医の初診・再診料の引き下げについては、会見で否定したが、開業医に往診・訪問診療、休日・時間外診療を求めることを打ち出している。記事にあるように、現在の収益源を減らして、時間外等に振り向けるようなことになれば、まったく本末転倒である。これまで開業医が従業時間外に果たしてきた、学校医・産業医活動や健診活動など、地域医療のための活動を充実強化させていかなければならないと考えている。
最後に、同常任理事は、「今、わが国の社会保障制度の根幹をなす医療は、未曾有の危機に直面している。政府の徹底した医療費抑制策によって、健全な医業経営の存続は困難となっており、このままでは、地域の医療提供体制は、維持するのさえ危うくなる。日医は、関係各方面に強く働き掛け、国民の命の安全と生活の安心を守っていきたいと考えている」と述べた。
唐澤人会長は、報道関係者に対し、たとえ議論の最中であっても、あらゆる情報を伝えていくという日医の姿勢を説明。「この方針を貫いていくので、日医の考え方を理解して欲しい」と協力を求めた。
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