白クマ
日医白クマ通信 No.705
2007年7月31日(火)


日本医師会四病院団体協議会懇談会
「今後の医療体制等をめぐり意見交換」

 日本医師会・四病院団体協議会懇談会が、7月25日、日医会館で開催された。日医から飯沼雅朗・鈴木満・天本宏・内田健夫各常任理事が、四病協側からは、豊田堯日本医療法人協会会長、西澤寛俊全日本病院協会会長、鮫島健日本精神科病院協会会長、山本修三日本病院会会長らが出席した。

 議題は、(1)今後の医療体制、(2)医師確保、(3)経済財政改革の基本方針2007、(4)規制改革推進のための3か年計画、(5)その他―についてであった。

 (1)では、「医療施設体系のあり方に関する検討会」が次期医療法改正(第六次)に向け、昨年から議論を重ねた結果、7月18日開催の第9回会合で案が示された「これまでの議論を踏まえた整理」について、同検討会委員である内田常任理事・西澤全日病会長・山崎學日精協副会長が報告を行った。まず、内田常任理事が、その内容について、地域医療支援病院と特定機能病院については、承認要件のあり方が示されたが、存続・整理・見直しを含めて両論併記であったこと、地域医療における中小病院の評価がされておらず、その役割については、今後の検討課題である旨の指摘をしたこと等説明した。本報告書は、9月ごろに開催される社会保障審議会医療部会で検討される予定。

 これに関する議論では、「本来、政策提言や制度設計は、その実現のための財源も含めて議論するべきで、政策的な財源論もきちんとしておく必要がある」「今後、検討会に臨む際は医療側からの具体的な提案も必要」といった意見が出された。

 (2)では、内田常任理事が、第2回「地域医療支援中央会議」について説明。政府・与党の「緊急医師確保対策」としての、a.緊急臨時的医師派遣システム、b.地域医療アドバイザー派遣事業―に関しては、「各地域で事情が異なる」「むしろ早急に医師養成を考えるべき」等の意見があった。

 その後、「健康ITカード(仮称)」と「後発医薬品」に関して議論を行った。

 年金記録問題との関係で浮上してきた、健康保険証をICカード化する「健康ITカード(仮称)」の導入については、セキュリティや個人情報の保護、社会保障番号制度が住民基本台帳とネットワーク化されて“管理医療”が導入される恐れがあるとして、日医は反対の立場を示してきた。これに対して、「病歴や検査結果、服用薬の種類等の記録、未収金問題といった面では有用性も認められる」との意見も出されたが、プライバシーの問題もあり、慎重な議論が必要との意見が多く、さらに「基盤整備には財政措置を」といった声も出た。

 「後発医薬品」に関しては、その品質と価格の問題でさまざまな意見が出されたなかで、飯沼常任理事の「特許期限切れの先発品の薬価を適切な価格にするよう要望していきたい」との意見に全出席者が賛同した。また、厚労省に対して、定期的に後発品に関する検証を行う制度をつくることを求める意見や、「ジェネリックメーカーは、タレントを使ったCM等で喧伝するなど、向いている方向が違うのではないか。もっと患者と医療者の方を向くべきだ」との指摘も出された。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)


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