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定例記者会見「最近の医療費動向に見る問題点と提言」 |
中川俊男常任理事は、8月22日の記者会見で、厚労省が8日公表した「平成 18年度医療費の動向」などをもとに、最近の医療費動向に見る課題を指摘した。
医療費の伸びについては、厚労省の「算定ベースで、伸び率0.1%、医療費の 自然増は従来と同程度の3〜4%になっている」との解説に対して、「支払い 基金などのデータによる確定ベースでは−0.2%であり、2001年度以降の平均は 2.8%。自然増が3〜4%あれば、診療報酬が−3.16%であっても、医療費は、 −0.16%〜+0.84%にとどまるはず。3〜4%は過大に見積もり過ぎ」と反論 した。そのうえで、「実態を踏まえた医療費推計を行うべきであり、過大な医療 費推計は、さらに無理な抑制を招く」と主張した。
さらに、医療費配分の不均衡について言及し、「病院の1日当たり点数は、 DPC導入病院では、前年比+7.6%と非常に高い伸びを示し、それ以外では0.2% の伸びにとどまっている。また、1日当たりの入院医療費についても、大学病院 と、それ以外の病院との格差が広がっている。一方、診療所(外科系)では、 2001年度以降の入院外医療費の伸び率がマイナスである」と指摘。「大学病院は、 民間医療機関と同じ土俵(7対1入院基本料の算定など)に上がることをやめる べきである。逆に、医療費抑制のツールとして使われやすいDPCの導入は、本来 の目的に戻り、大学病院、特定機能病院に限定すべき。そして、大規模病院から、 地域を支える医療機関に医療費財源をシフトすべきである」と提言した。
また、2008年度予算概算要求基準(シーリング)で、社会保障費2,200億円 削減が、機械的に設定されたことについても、不満を表明。「医療費の自然増 を2006年度までの2.8%で試算してみると、厚労省の見通し(自然増4.2%)より、 1,168億円少なく、医療はこのまま推移するだけで、削減目標はほぼ達成される ことになる。しかし、いまこそ、もっと医療費を増やさなければ、地域医療は 壊滅状態になる」と強調した。
同席した、唐澤人会長は、「国の医療費抑制策が、患者の負担増につなが っており、本来、医療を受けなければならない人が受診を控え、かなりの受診 抑制になっている。特に高齢者の負担増大が心配である」との危惧を示した。
◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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