白クマ
日医白クマ通信 No.749
2007年10月15日(月)


中医協基本小委(10月12日)
「後期高齢者の入院医療について議論」

 中医協診療報酬基本問題小委員会が、10月12日、都内で開催された。

 基本小委では、現在、次期診療報酬改定に向けた検討項目についての議論が行われている。今回のテーマは「後期高齢者医療の入院医療」についてであった。

 当日は、社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会が先ごろ取りまとめた「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」の内容ならびに後期高齢者の入院医療に関する課題と論点について、中医協事務局から説明が行われた。

 課題と論点のなかでは、後期高齢者の入院医療について、(1)退院後の生活を見越した計画的な入院医療、(2)入院中の評価とその結果の共有、(3)退院前後の支援―の3つが必要と明記。具体的な評価項目としては、「患者の病状の急変等に伴い、地域の主治医からの求めに応じて入院させた場合の評価」「病状の安定後、早期に、患者の基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な評価を行い、退院を見越した入院中の診療を行うための計画を作成する取り組みに対する評価」「入院前の地域の主治医が、退院後に引き続き外来において療養上必要な指導を行った場合の評価」などを導入してはどうかとの考えが示された。

 議論のなかで、中川俊男委員(日医常任理事・鈴木満委員の代理出席)は、厚生労働省の考え方は、退院・在宅へという流れが強過ぎ、このままでは孤独死が急増する恐れがあると批判。また、「骨子」に記載されている「74歳と75歳で、医療の質が変わることがあってはならない」との重要な指摘について、改めて厚生労働省に確認を求めた。

 「主治医」の議論については「外来」の項で検討することとなったが、中川委員は「地域医療計画で定められている4疾病5事業でも各々で、主治医が存在している。廃止された外総診は、主治医を一人として制度設計されていたことも踏まえて、議論すべき」とコメント。中医協においても時間をかけて議論することを求めた。

◆問い合わせ先:日本医師会保険医療課 TEL:03-3946-2121


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