白クマ
日医白クマ通信 No.758
2007年10月25日(木)


定例記者会見
経済財政諮問会議の「給付と負担の選択肢」に対する日医の見解を説明

 経済財政諮問会議(以下、「諮問会議」と略す)が、10月17日に開催され、「社会保障制度と財源のあり方(社会保障と税)」について、議論が行われた。民間議員からは「給付と負担の選択肢について」という資料が出され、将来の給付と負担に関する中長期の社会保障の選択肢が提示されたが、そのなかで、「現在の給付水準を維持し、負担が上昇したケースでは、2025年度の65歳以上の一人当たりの医療給付費が77万円になる」という試算結果を示していることについて、中川俊男常任理事は、10月24日に記者会見を行い、現時点における日医の見解を説明した。

 同常任理事は、諮問会議が示した資料で、当該ケースについての一人当たりの医療給付費の伸びを年1.7%としていることを問題視。最近の一人当たり医療費の伸びは1%以下であり、2005年度には前年比マイナスの伸びになっていることを説明したうえで、一人当たり医療費の伸び率を平均0.9%(マイナス改定年を除いた伸びの平均値)として推計してみると、2025年度の一人当たり医療給付費は68万円になると指摘。この結果を踏まえて、同常任理事は、「医療費推計というものは、その前提次第で大きく変わるものであり、その前提自体も常に変化することを理解したうえで、このような試算結果は示されるべきである」と主張した。

 また、2008年度の65歳以上の医療給付費について、2006年度の医療制度改革開始時点では15.3兆円と見込まれていたものが、最近の資料では16.1兆円から16.4兆円と見込まれていることにも言及。わずか1年の間に約1兆円も上方修正されているが、直近の一人当たり医療費の伸びを見ても前年比ではマイナスになっており、上方修正すべき要因はないと批判した。

 一方、諮問会議の民間議員が行った試算の方法として、上記提出資料の経済財政の想定なかで、歳出項目の医療・介護について、「一人当たり医療・介護給付額が診療報酬や介護報酬の伸び、所得の上昇等を反映して、これまでと同様に増加することを想定。」とあることに関しては、診療報酬の引き上げも考慮しているのであれば、日医としては評価するとその感想を述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

◇定例記者会見資料はこちらから
 ⇒ http://www.med.or.jp/teireikaiken/


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.