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緊急記者会見 「後発医薬品の使用に関するアンケート調査の結果を公表」 |
鈴木満・中川俊男両常任理事は、11月9日、厚生労働省で記者会見を行い、本年9・10月に日医が実施した「後発医薬品の使用に関するアンケート調査」の結果を公表した。
今回の調査は、(1)後発医薬品の使用状況に関する調査、(2)後発医薬品の個別問題事例に関する調査、(3)先発医薬品の使用状況に関する調査−の3種類。対象者は、それぞれ、全国の(1)が日本病院薬剤師会の会員が所属する病院の病院長、(2)が特定機能病院の薬剤部門の責任者(薬局長等)、(3)が特定機能病院の病院長となっている。
調査結果によると、日本の後発医薬品のシェアは取り扱い処方せん枚数ベースで17.1%であるが、病院単位で見ると、約94%の病院で過去2年間に後発医薬品の使用・処方経験があることが分かった。また、過去2年間で、何らかの問題があり、後発医薬品の中止事例があった病院の割合は35%。一方、先発医薬品の使用を中止したことのある病院の割合は61.7%となっていた。
後発医薬品の中止事例の根拠に関しては、「供給体制の問題」が最も多く、次いで「品質の問題」が多かった。さらに、個別問題事例より報告された過去2年間の後発医薬品の中止事例について、問題のタイプ別に集計してみると、最も多かった問題は「副作用の問題」、次いで「供給体制の問題」が多かった。
一方、現在中医協で審議されている「処方せん様式の見直し」については、「様式変更に反対」が34.9%、「様式の変更(後発医薬品の代替処方を不可とする場合のみ、処方せんの医師署名欄にサインする)に賛成」が26.1%となっていたが、「分からない」との答えも34.9%で3分の1以上を占めていた。
中川常任理事は、今回の調査結果から、医療機関では、後発医薬品を使用していたとしても、後発医薬品への不信感から慎重に選択して使用している可能性が高いことが分かったと指摘。加えて、特定機能病院を対象とした個別問題事例からは、副作用の問題も多く報告されたことを考えると、後発医薬品は全く問題ないとは言えず、現時点では、後発医薬品を全面的に使用促進するにはリスクが高いとし、処方に当たっては、銘柄を指定するなど、医師の裁量権と責任を明確にする仕組みが必要なのではないかとの考えを示した。
また、使用中止の理由として、メーカーの供給体制の問題が最も多く指摘されたことについては、国に対して後発医薬品メーカーに対する指導・管理の徹底を要求。個別問題事例において副作用の問題が最も多く挙げられていたことについても、その原因として不純物・添加剤由来の副作用が疑われるとし、厚生労働省の承認審査の再検討を求めた。
◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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