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社会保障審議会医療部会 「平成20年度診療報酬改定の基本方針がまとまる」 |
社会保障審議会医療部会が、11月29日、厚生労働省で開催された。
当日は、前回の医療部会および26日に開催された医療保険部会での議論を踏まえて修正された「平成20年度診療報酬改定の基本方針(案)」が示され、最終取りまとめに向けた議論が行われた。
提示された「基本方針(案)」は、「基本的考え方」のなかに、医師不足などによって地域医療の現場が崩壊しつつある現状についての文言が新たに加えられ4項目になったほか、「緊急課題」「4つの視点」に挙げられた個々の論点についても文言が修正された。
竹嶋康弘副会長は、診療所における夜間開業の評価について、「地域のさまざまな状況に応じて対応することとして欲しい」と要望した。また、中川俊男常任理事も、「日中は診療せず、点数が高い夜間のみ診療することになると、高齢者が多い地域などでは受診できない人も出てくる」と指摘。現在、夜間診療が行われている地域は、住民のニーズに応じて行われているという現状も踏まえたうえで、点数改定すべきと要望した。また、夜間診療に対して点数を加算することによって国民の負担増につながることを危惧した。
さらに、中川常任理事は、前々回の医療部会で提案された診療所の夜間診療を評価するために初再診料を引き下げるということについて、「文言は削除されたが、夜間診療に関する評価と初再診料の引き下げは別の問題である」と改めて主張し、事務局の意向を確認した。医療課長は、「全体の評価のなかで調整するのではなく、夜間診療のみを評価したいと考えている。そのことで初再診料の点数を動かすことは考えていない」と明確に回答した。
DPCについては、対象病院の在り方に関しても検討するとの文言が加わったことを受けて、「“在り方”のなかには拡大等に関する検討も含まれるのではないか」と、改めて文言の削除を要望したが、今後、拡大していく方向での議論も行うべきとの意見もあったことから、そのままの文言とすることとなった。
なお、医療部会における基本方針の取りまとめについては、当日出された意見と医療保険部会での議論を踏まえた調整も含め、部会長に一任し、中医協に提出することとなった。
◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)
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