日医白クマ通信 No.81 2005年3月16日(水) |
生命倫理懇談会 |
わが国の緩和医療について討議を行う第3回第IX生命倫理懇談会が、3月9日、日医会館で開催された。
議事は、(1)講演「わが国の緩和医療の現状と課題」(恒藤暁大阪大学人間科学研究科助教授 )、(2)緩和医療について、(3)その他―であった。
恒藤助教授は、淀川キリスト教病院に勤務した経験を踏まえて、緩和医療の歴史と発展から、諸外国とわが国の緩和医療の現状についてまでを詳しく説明した。
英国ではホスピス(入院施設)218、米国ではホスピス(プログラム)3200だが、日本は、施設数138とのことであった。
恒藤助教授は、緩和医療の課題として、(1)ホスピス・緩和ケアの病棟のある施設数の増加とその質の確保(2)緩和ケアチームの活動の成熟(3)在宅ケアの拡充(4)教育の充実(5)緩和医療の研究―の5点を指摘した。
この後、質疑応答に入り、「ターミナルケアの専門医を育てるべきはないか」「ターミナルケアには、基本的にすべての医師がかかわるので、教育に取り入れるのはいいが、専門医にのせるのはおかしい」などの意見交換が行われた。次回以降、在宅緩和ケアを含め、さらにこの話題について議論を行っていく。
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