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中央社会保険医療協議会(11月30日) リハビリテーションの検討 |
基本小委では、リハビリテーション、感染症対策、勤務医の負担軽減策、7対1入院基本料の基準の見直し、の4点について議論された。 リハビリテーションは、平成18年度診療報酬改定では維持期のリハビリテーションが問題となり、平成19年4月に一部改正した経緯がある。その際の中医協答申書に「平成20年度改定に向けて維持期のリハビリテーションについて調査、研究を行うこと」と明記されていたことを受けて実施された調査結果を踏まえて、(1)疾患別リハビリテーションについて、脳卒中などの発症後、早期のリハビリテーション実施の更なる評価、逓減制の廃止、リハビリテーション医学管理料の見直し、(2)回復期リハビリテーション病棟での、病棟ごとの質に応じた評価導入、医師の専従要件の見直し、(3)集団コミュニケーション療法の新設、(5)障害児(者)リハビリテーションを行っている専門性の高い施設への評価―が論点として示された。 竹嶋康弘委員(日医副会長)は、前回改定で大きな問題となったことから、リハビリ団体とヒアリングをした事実を述べ、各団体共通の改善項目(逓減制撤廃、面積要件の見直し、集団療法の復活等)についてコメントし、「医療から介護へのリハビリの移行においては、その両方をしっかり見なければならない。関係団体の意見を十分聞いて、議論に生かすべきである。前回の改定時にはその作業がなかった」として要請した。 鈴木満委員(日医常任理事)は、(2)の質の評価に関して、現場で矛盾が発生したら2年後ではなくその都度見直すなど弾力的な対応を要望し、医師の専従要件については、現状の点数と要件緩和した点数に分けて評価してはどうかと提案した。 感染症対策については、二類感染症(結核、ジフテリアなど)患者を治療する際の個室確保に対して評価することと、薬剤費負担軽減のため、血友病を伴うHIV感染者および後天性免疫不全症候群患者などへの薬剤費を、入院料の包括外として算定することが論点として示され、鈴木委員は、賛意を示した。 勤務医の負担軽減策では、11月2日の議論を考慮し、地域性、診療科、管理者年齢、休日夜間急患センター等への応援について分析した結果が示され、その結果を受けて、診療所における開業時間の夜間への延長などの時間外診療の評価体系を見直すという前回の論点と同様の案が示された。ただし、初・再診料の引き下げとは切り離して勤務医の過重労働対策の一環ということが強調された。 午後6〜10時、午前6〜8時において診療応需の態勢の有無に関係なく、小児科加算のように新加算が算定できる制度としてはどうかという提案がなされた。 鈴木委員は、a.朝、学校や職場に行く前の午前8〜9時の時間帯の対応も必要、b.公的病院などが閉まっている土曜日の休日加算の算定の問題、c.小児加算を設定して勤務医の過重労働が緩和されたエビデンスを示すべき等と述べた。 7対1入院基本料の基準の見直しでは、急性期医療の適切な評価のため、(1)患者の看護度判定に「一般病棟の重症度・看護必要度に係る評価票(案)」を新たに用いる、(2)医師の診療体制を要件に含める、(3)(1)や(2)の調査結果後の緩和策として、10対1の医療機関に対して、看護補助者などの体制評価を行う―ことが論点として示された。 中医協全体としては、(1)、(2)に関しては、おおむね賛成の意見が多数を占めたが、(3)については、支払側から、評価の必要性に疑問の声が上がった。 鈴木委員は、医師も看護師も不足しており、男女雇用機会均等法の観点からも看護師の72時間問題の解決を求めた。 次回からは、制度設計を踏まえて、議論されることになった。 材料部会では、平成20年度保険医療材料制度改革の方向性(案)が示された。内容は、(1)新規の機能区分(C1、C2)に係る事項として、イノベーションの評価(保険導入期間と補正加算の見直し)、価格調整、(2)既存の機能区分に係る事項として、価格改定方式の適正化、再算定、(3)既存の機能区分の見直しについて―となっている。 本案についても議論が交わされ、さらに検討していくこととなった。 ◆問い合わせ先:日本医師会保険医療課 TEL:03-3946-2121(代) |
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